利用報告書
課題番号 :S-20-NI-0026
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :Fe-Al2O3粉末の57Feメスバウアー分光測定
Program Title (English) :57Fe Mössbauer spectroscopy of Fe-doped Al2O3
利用者名(日本語) :朝倉博行
Username (English) :H. Asakura
所属名(日本語) :京都大学大学院工学研究科
Affiliation (English) :Kyoto University
1.概要(Summary)
申請者らはFeをγ-Al2O3にドープした単純な金属酸化物が安定な構造を保ちながら酸素吸放出能を示すことを見出している.X線回折パターン,X線吸収スペクトルなどから,Feは欠陥スピネル型構造をとるγ-Al2O3の四面体サイトにドープされ,この酸化還元に伴って,酸素吸放出能を占めていると考えている.しかし,Feのドープサイトを正確に決定するには至っていない.そこで検討中のFe-doped γ-Al2O3のうち,代表的な試料について,57Feメスバウアー分光測定によるFeサイトの同定,定量を試みた.
2.実験(Experimental)
触媒学会参照触媒JRC-ALO-4(γ-Al2O3)に5 wt%となるようFeを含浸,焼成した試料(AH-OSC-025)及びこれを900°Cで水素還元した試料(AH-OSC-005),さらに酸化還元を繰り返し,酸化処理で終えた試料(AH-OSC-092)の3種類について,通常の透過法を用いて室温にて57Feメスバウアースペクトルを測定した.速度較正はα-Fe箔標準試料を用いて行い,α-Feのスペクトルの重心位置を速度0 mm/sの基準に設定した.
3.結果と考察(Results and Discussion)
Figure 1に3つの試料の57Fe メスバウアースペクトルを示す.Feを含浸,焼成した試料(AH-OSC-025)は,Fe3+ に相当する2つのスペクトルでフィッティング可能であった.酸化還元を繰り返し,酸化処理で終えた試料(AH-OSC-092)は同様にFe3+ に相当する非磁性四極子分裂サブスペクトル2 組でフィッティング可能であったが,アイソマーシフトおよび四極子分裂の値はAH-OSC-025のものとは異なり,Fe3+が四配位サイトに存在することを示唆する結果であった.一方,900°Cで水素還元した試料(AH-OSC-005)は Fe3+およびFe2+に対応する2つおよび3つのスペクトルでフィッティングすることができ,Fe3+のサイトがAH-OSC-092と共通であることが示唆された.
Figure 1 57Fe Mössbauer spectra of Fe-doped Al2O3 (as-prepared: AH-OSC-025, reduced: AH-OSC-005, reoxidized: AH-OSC-092)
4.その他・特記事項(Others)
本研究の一部は、科研費(19H02515)および本研究は文部科学省元素戦略プロジェクト<研究拠点形成型>(課題番号JPMXP0112101003)の助成を受けて実施されました.また,代行測定,ご助言,解析を賜りました壬生教授,尾上様に深く感謝いたします.
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし.
6.関連特許(Patent)
なし.







