利用報告書
課題番号 :S-20-KU-0009
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :HSAへのジスルフィド結合と疎水性結合によりペプチド薬物の血漿半減期の延長
Program Title (English) :Prolonging the plasma half life of peptide drugs via both disulfide and hydrophobic binding to HSA
利用者名(日本語) :孫キソウ, 森 健
Username (English) :A. Xizheng Sun, B. Takeshi Mori
所属名(日本語) :1) 九州大学大学院システム生命科学府,
Affiliation (English) :1) Graduate School of Systems Life Sciences, Kyushu University
1.概要(Summary )
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をとると小腸から分泌され、インスリンの分泌を促進する働きをもつホルモンである。インスリン分泌促進やグルカゴン分泌抑制以外にも、脂肪分解や脂肪肝の減少を促進したり、心機能を保護したりする効果があるため、近年2型糖尿病に対する新たな治療薬として注目されている。しかしながら、GLP-1は腎排謝を受け、ヒトにおける消失半減期は約2分と短い。この短い血中半減期による治療上の制約を克服するため、一つの手段として、リガンド分子を介し、GLP-1を高分子量のキャリアタンパク質と結合させることにより、腎クリアランスを抑制したGLP-1アナログ製剤が開発された。しかしながら、既承認のGLP-1アナログは、いまだ投与頻度が高いという問題がある。
本研究では、GLP-1とキャリアタンパク質間で可逆的に結合することで、長い血中半減期を持つGLP-1アナログを開発を目指す。固相合成で得られたペプチドリガンド分子(分子量約2000Da)をHPLCとMALDI tof MSにより精製し、GLP-1分子との修飾反応に使う。その後マウスへの血中投与において、 GLP-1アナログの血中半減期とインスリン分泌促進効果を評価し、既承認のGLP-1アナログと比較して、本分子の有用性を示す。
2.実験(Experimental)
固相合成で得られたペプチドリガンド分子をHPLCにより精製する。その際、MALDI-tof MSを用いて、各ピークの分子量を測定するにより、目標分子のリテンションタイムを同定する
3.結果と考察(Results and Discussion)
MALDI-tof MSにより、目標分子のピークを同定し、精製を行った。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
Xizheng Sun, Reika Tokunaga, Yoko Nagai, Ryo Miyahara, Akihiro Kishimura, Shigeru Kawakami,
Yoshiki Katayama, and Takeshi Mori, Biochemistry, 59(49), 4646-4653.
6.関連特許(Patent)
なし