利用報告書

iTRAQ法を用いた魚及び両生類組織中のタンパク質の発現解析
森笹瑞季1), 木村圭佑1), 井上菜穂子1)
1) 日本大学生物資源科学部海洋生物資源科学科

課題番号 :S-19-NM-0048
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :iTRAQ法を用いた魚及び両生類組織中のタンパク質の発現解析
Program Title (English) :Proteome analyses of tissues from fish and amphibians using iTRAQ method
利用者名(日本語) :森笹瑞季1), 木村圭佑1), 井上菜穂子1)
Username (English) :M. Morisasa1), K. Kimura, N. Goto-Inoue1)
所属名(日本語) :1) 日本大学生物資源科学部海洋生物資源科学科
Affiliation (English) :1) College of bioresource sciences, Nihon University

1.概要(Summary)
サクラマスは海で成育し川に戻る降海型とヤマメとして川に残り生育する残留型の二種類が存在する。これらの2つの種は乱婚を起こすことが知られている。一般的に体サイズの大きなものほど優位な生殖能力を持つと考えられるが、サクラマスの場合、体のちいさなヤマメの精漿が混在することでその受精率が向上することが分かっている。そこで、受精率に大きく寄与すると考えられる精漿に含まれるタンパク質に着目し、ヤマメとサクラマスでの発現変化について明らかにしようと試みた。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
 LC-MS質量分析装置(QExactive)
【実験方法】
市販のiTRAQ試薬を用いてラベル化したペプチドを作成し、C18チップカラムを用いて脱塩処理を行った。その後、LC-MSの溶媒に再溶解したものをサンプルとした。サンプルのうち、1μLをLC-MS分析に供した。LC-MSとしてQExavtiveを用いた。分析条件は、45分間のグラディエントを用いてペプチドを分離し、測定を行った。得られた結果についてはProteome Discoverer2.0を用いて解析を行い、ヤマメとサクラマスで発現量に差異のみられたタンパク質の抽出を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 タンパク質のデータベース硬骨魚類(teleost fish)を設定して同定解析を試みた。この時、Uniprotにおけるデータベースに登録されたタンパク質の種類はTrEMBLを合わせるとおよそ93,181種類であった。我々はこのデータベースを用いて、iTRAQ測定の結果の検索を行ったところ、合計で4763個のタンパク質の同定に成功した。このうち、ヤマメで有意に増加していたタンパク質は218個、逆にサクラマスで有意に増加していたものは311個抽出された。検出されたタンパク質には分泌タンパク質と言われているものや、膜タンパク質が豊富に含まれていることから、精漿にエキソソームが存在していることが予測された。そこで現在はエキソソーム画分を採集し、同様の実験を検討する準備を行っている段階である。

4.その他・特記事項(Others)
装置の使用トレーニングをNIMS服部氏より受けた。
科研費(基盤研究B:17H03864)分担者

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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