利用報告書

MALDI-TOFを用いた樹脂中添加剤測定
中平 剛司
積水化成品工業株式会社

課題番号(Application Number):S-15-NR-0029
利用形態(Type of Service):技術代行
利用課題名(日本語) :MALDI-TOFを用いた樹脂中添加剤測定
ProgramTitle(English) :Additives qualitative analysis to plastics by MALDI-TOF
利用者名(日本語) :中平 剛司
Username(English) :Takeshi Nakahira
所属名(日本語):積水化成品工業株式会社
Affiliation (English) :SEKISUI PLASTICS, Co., Ltd.

1.概要(Summary )
酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤はLC/MSにて測定を行っているが、未知の場合は同定が困難であり、HALSなど測定自体が困難な物質も多く存在する。
今回、5サンプルについて精密質量測定を行い、TOFの有用性を確認した。

2.実験(Experimental)
試料をクロロホルムで溶解し、1mg/mLと0.1mg/mLに調製した。マトリクスはジスラノール(DIT)、DCTB、2,5-DHBを使用した。また、カチオン化剤として、TFA-Na 1mg/mLを使用した。
プレートへのスポッティングは下記3点実施した。
1)マトリクス:サンプル=4:1
2)マトリクス:サンプル:TFA-Na=4:1:1
3)マトリクス:サンプル:TFA-Na:PEG=4:1:1:1
上記プレートをMALDI-TOFMS(日本電子製 JMS-S3000)にセットして精密質量分析を行った。

MALDI-TOFMS(日本電子製 JMS-S3000)

3.結果と考察(Results and Discussion)
試料①Chimassorb81はDCTBにてピークが確認された。試料②難燃剤TBBA-DBBはDHBにてピークが確認された。試料③オレフィン系エラストマー樹脂抽出物はDCTBにて3種の添加剤(Irgafos168+Irganox3114+Irganox1010)が同定された。試料④Irganox1010+TinuvinP+Irgafos168混合物はDCTBにてピークが確認された。試料⑤Chimassorb119はDCTBにてピークが確認された。
主な添加剤は、MALDI-TOFMS測定が可能と判断された。特に、LC/MSでは測定不能なHALSに属する試料⑤Chimassorb119が検出されたことで、精密質量測定の有用性を再認識した。

MALDI-TOFMS測定結果

4.その他・特記事項(Others)
なし。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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