利用報告書

PEFCの高温作動化に向けた新規材料の探索
永山 まゆみ, 武藤 毬佳, 綾戸 健祐, 林 灯
九州大学

課題番号 :S-17-KU-0011
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :PEFCの高温作動化に向けた新規材料の探索
Program Title (English) :Investigation of new materials for high temperature PEFC
利用者名(日本語) :永山 まゆみ, 武藤 毬佳, 綾戸 健祐, 林 灯
Username (English) :M. Nagayama, M. Muto, K. Ayato, A. Hayashi
所属名(日本語) :九州大学
Affiliation (English) :Kyushu University

1.概要(Summary )
PEFC(固体高分子形燃料電池)および関連デバイスの高温作動化に向けて、イリジウムまたは白金、あるいはこれらのハイブリッド材料からなる電極触媒を合成し、電気化学性能評価を行った。その中で、電極触媒の材料解析において、ナノテクPF支援を利用した。

2.実験(Experimental)
電子状態測定システムAXIS-ULTRA(島津製作所社製) を用いて、触媒材料中のイリジウム、白金等の結合エネルギーを解析した。各種結合エネルギーを分離解析することで、同じ元素でも結合状態の違いについて調べ、性能との相関性を評価した。特に、イリジウムと白金の両方を有するハイブリッド触媒材料については、合金化の可能性も調査した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
本研究で開発したポーラスイリジウムからなる触媒材料は、酸素発生活性が低いという実験結果に対し、AXIS-ULTRAを活用したところ、酸素発生反応に有効な酸化イリジウムではなく、金属イリジウム状態であることがその理由として明らかになった。それを受けて、触媒表面において電気化学酸化処理を行った結果、酸素発生活性が向上し、金属イリジウムのピークの消失がAXIS-ULTRAにより確認できた。また、イリジウムと白金の両方を有する触媒についても、AXIS-ULTRAを用いて分析したところ、合金化に見られる結合エネルギーのシフトが見られ、電子顕微鏡観察結果をサポーとする結果が得られた。

4.その他・特記事項(Others)
本研究の一部は、JST-ASTEP「イオン伝導性配位高分子を電解質に用いた燃料電池の研究開発」により実施した。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) M. Muto, K, Sasaki and A. Hayashi, 232nd ECS Meeting, October 3rd, 2017.
(2) 武藤毬佳,佐々木一成, 林 灯 電気化学会第85回大会, 平成30年3月9日

6.関連特許(Patent)
なし。

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