利用報告書
課題番号 :S-20-NM-0036
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :SECによるワックス高分子の分子量測定
Program Title (English) :Molecular weight measurement of wax polymer by SEC
利用者名(日本語) :朴俊満1)
Username (English) :PARK JOONMAN 1)
所属名(日本語) :1) 株式会社伊勢半 リップメイク研究課
Affiliation (English) :1) ISEHAN Co.,Ltd
1.概要(Summary)
高分子の分子量は,バージン材と再生材でも変動する. また,処方にガラスパール等を混ぜた場合でも物性は変動する.また,分子量は常に一定であるわけではなく,材料のロットや保管方法等によってもある範囲でばらつく.口紅充填で同一品質の成形品を生産しようとしても,このように材料自身にもある範囲のばらつきがあるため,いかにこれらのばらつきを抑え込んできれいな口紅の成形ができるようにするか,金型や充填条件等のプロセス側での工夫が重要になる.
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
- サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography,SEC)装置
【実験方法】
RI検出器を使用
3.結果と考察(Results and Discussion)
ワックスの物性と分子量の関係を口紅生産,充填及び安定性の観点からまとめると
ワックスの分子量が小さい場合の傾向
○金型内での混練性と流動性が良好になる.
○金型内での冷却固化速度が早い.
○剛性が高くなる.
ワックスの分子量が大きい場合の傾向
○伸び強度が向上する.
○撃強さが向上する.
○耐熱性が改善される.
○疲労特性が良好になる。折れにくくなる.
○破断強度が良くなる.
○オイルによる変形がなりにくくなる.
○耐熱劣化性,耐候劣化性,吸湿性,分解・架橋性等が良くなる.
○ブロー成形性が良好になる.
○成形性が良好になる.
4.その他・特記事項(Others)
利用にあたってNIMS高橋氏、小原氏、服部氏の支援を受けた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
該当なし
6.関連特許(Patent)
該当なし