利用報告書

SFN蛋白とSKP1蛋白の結合部位同定
柴 綾1)
1) 筑波大学 医学医療系 診断病理

課題番号 : S-15-NM-0060
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :SFN蛋白とSKP1蛋白の結合部位同定
Program Title (English) :Identification of binding site for SFN and SKP1.
利用者名(日本語) :柴 綾1),
Username (English) :Aya Shiba1)
所属名(日本語) :1) 筑波大学 医学医療系 診断病理
Affiliation (English) :1) Diagnostic Pathology, Faculty of Medicine, University of Tsukba..

1.概要(Summary )
SFNとSKP1は、SKP1蛋白上のリン酸化Thr131をインターフェイスとして結合することが、シミュレーションより予測された。この結果をもとに、SKP1の131~140までの10アミノ酸(リン酸化ペプチド、非リン酸化ペプチドの2種)を合成し、アナライトとして用いる。リガンドにはリコンビナントSFN蛋白を用いて、ペプチドとの結合をbiacoreで確認する。

2.実験(Experimental)
 アミンカップリング法にてリガンドとなるリコンビナントSFN蛋白をCM5チップに固定化した。その後、HBS-EP bufferに溶解したSKP1のペプチド(リン酸化、非リン酸化の2種を別々に)をアナライトとして流し、結合を解析した。陽性コントロールとして抗SFN抗体を用いた。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 アミンカップリング法により、約7,000RUのリガンドをCM5チップに固定化することができた。また、陽性コントロールとして用いた抗SFN抗体をアナライトとして解析すると、濃度依存的なセンサグラムの立ち上がりが確認できた。
 その後SKP1ペプチドとの結合解析では、非リン酸化ペプチドは結合によるセンサグラムの上昇が見られなかったのに対し、リン酸化ペプチドでは数10RUほどであったが結合が確認された。
 結合時のRUの小ささは、リガンドであるリコンビナント蛋白とアナライトであるペプチドの分子量の違いにあると考えられる。そこで、現在はペプチドの長さを微増させる(1,2アミノ酸)ことによってアナライトの分子量を大きくし、より高いRUを得るべく再試を計画している。成功した場合は、濃度を5段階以上にふりkinetics計算を行う予定である。

図:SFNリコンビナント蛋白をリガンドとして固定化したチップに、リン酸化SKP1ペプチド、リン酸化SKP1ペプチド、SKP1リコンビナント蛋白、抗SFN抗体(陽性コントロール)をアナライトとして流した時のセンサグラム。陽性コントロールとリン酸化ペプチドでセンサグラムの立ち上がりが確認できた。

4.その他・特記事項(Others)
なし。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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