利用報告書
課題番号 :S-15-NI-03
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :SiC単結晶刀具開発
Program Title (English) :CMP processing of SiC cutting tools
利用者名(日本語) :青木 渉1)
Username (English) :Wataru Aoki1)
所属名(日本語) :1) BTT株式会社
Affiliation (English) :1) BTT. CO.,LTD.
1.概要(Summary )
単結晶シリコンカーバイド(以下SiC)を刃先とする、精密加工用刃具開発において、刃先をCMP加工する技術代行を実施した。刃先丸みを20nm程度に仕上げるためには、ギア式の研磨定盤では実現できず、空気浮上型研磨定盤が必要となるため、本事業により開発協力を実施した。BTT株式会社は、カスタマイズされた金属刃物製造を特異としているが、ダイヤモンド砥石によって形状形成させるため、表層に加工歪み相が残る。その相をCMP加工によって除去し、刃具化させた。
2.実験(Experimental)
・MAT社製エアスピンドル40cm研磨定盤一式
・曲面形成治具一式
1:形状形成された刃具を、曲面形成治具に固定する
2:名古屋工業大学江龍研究室にて開発した研磨溶液を用いて刃先をCMP加工する。本年度は、刃物の量産化をイメージし、新たに専用定盤パッドを開発して技術代行を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
上画像に示す、スローアウェイ刃物に活着させたSiC単結晶刃先を、曲面状態でCMP加工している。半導体研磨加工技術を応用した曲面加工は、名古屋工業大学が世界で唯一保有している技術であり、本事業でなければ実現できない。
スローアウェイ台座に活着させる前段階として、刃先上部の平坦面をCMP加工する。この時点で、成長結晶から切り出したワイヤカット歪み相を完全に落としきる。続いて、刃物状態に形状を整えた部材の、刃先先端部分を曲面CMP加工する。本研究は2013年10月13日に東工大にて実施されたナノテクプラットフォーム成果報告会において報告させて頂いたが、当時は技術が未熟であり、量産化工程開発まで至らなかった。
本年度は量産化工程として定盤パッド等の見直しも行い、平成27年度工業技術グランプリを受賞出来た。本研究は2017年度も継続が決定している。
4.その他・特記事項(Others)
2016年2月16日名古屋市工業研究所
平成27年度 (公財)名古屋産業振興公社 名古屋市工業技術グランプリ授賞式にて、名古屋市長賞(最優秀賞)を受賞した。下記写真の右に貼りだされているポスターパネルは、2013年10月、東工大にてナノテクプラットフォーム成果を発表した際に用いたもので、本事業の関わりを強くアピール出来た。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







