利用報告書
課題番号 :S-15-OS-0039
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :SrTiO3中Mn偏析転位によるナノサイズ希薄強磁性体
Program Title (English) :Nanoscale Ferromagnetic Mn-segregated Dislocations in SrTiO3
利用者名(日本語) :真保陽一
Username (English) :Y. Shimbo
所属名(日本語) :東京大学工学系研究科マテリアル工学専攻
Affiliation (English) :Instute of Engineering Innovation, The University of Tokyo
1.概要(Summary)
本研究では、Mn添加チタンストロンチウムにおける強磁性の発現を参考に[1]、チタン酸ストロンチウムの粒界に存在する転位に磁性元素であるMnを選択的に添加することで、転位を利用した局所強磁性体の作製を行った。磁気力顕微鏡(MFM)を用い、作製した強磁性体転位の磁気物性の評価をナノスケールで行った。走査透過型電子顕微鏡とその関連手法を用いた解析を行うことで、この転位における、強磁性の発現メカニズムの解明を試みた。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
走査型プローブ顕微鏡
【実験方法】
走査プローブ顕微鏡の手法の一種である磁気力顕微鏡(MFM)を用いた。磁気物性の測定の際には、試料及び探針をネオジム磁石で磁化した後に、磁気物性が顕著になる低温条件(ここでは-120℃)まで試料を降温し、試料上の転位を含む領域を探針で走査することで、Mnを偏析させた転位と、非磁性のバルク領域との相対的な磁気物性の差を評価した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Mn偏析転位の配列した粒界について、磁気物性の評価を行った結果をFig.1に示した。像中左上から右下に見られるコントラストが粒界に対応しているが、位相像中でこの領域でわずかに位相の変化が生じていることが明らかになった。試料と探針は逆方向に磁化されているため、試料と探針の間の磁気的な斥力がこの位相値の変化の起源であると考えられる。しかし、磁気力顕微鏡の位相像においては、試料と探針の間の全ての相互作用が反映されるため、この位相値の変化が磁気力によるものであると断定するためには、キュリー点を超える温度条件において同様の実験を行う必要があり、更なる実験が必要である。
Fig.1 The obtained a) topographic image b) phase image by MFM.
4.その他・特記事項(Others)
[1] S. Middey, C. Meneghini, and S. Ray, Appl. Phys. Lett. 101, 1-5 (2012)
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







