利用報告書
課題番号 :S-19-JI-0012
利用形態 :技術代行支援
利用課題名(日本語) :SUS316L 板材へのMg/Bi/Mg製膜
利用者名(日本語) :植田 義明
所属名(日本語) :有限会社ディアックス
1.概要 (Summary)
Biを被覆されたMg合金を搭載する新規電気化学装置を評価するため、Mg合金AZ31板材表裏面上へのMg薄膜、Bi薄膜 の製膜 (図1参照) が必要となる。化学的処理では極薄薄膜の正確な極薄膜の成膜および膜厚測定が不可能であることから数ナノレベルで膜厚制御可能な製膜装置を用いてMg (10 nm) / Bi (1.0 m) / Mg (10 m) / Mg合金AZ31試料を作成し、その後、段差測定により膜厚測定を実施する。
図1. 外径□50 mmx厚み0.4 mmのMg合金AZ31
板材上に成膜した概略図
2.実験 (Experimental)
ECRイオンシャワー製膜エッチング装置 (株式会
社エリオ二クスEIS-220)を使用するにあたり外径が□50mm×厚み0.4 mmのMg合金AZ31板材と膜厚測定用Si基板を成膜装置に載置し、Si基板面上の膜厚測定を行うことで成膜レートを見積もる。Arガス (10 sccm)、加速電圧1000 V、マイクロ波出力100 W、イオン電流密度0.6 mA/cm2の条件の下で製膜を実施した。
3.結果と考察 (Results and Discussion)
Mg合金AZ31板材への成膜においては膜厚測定用Si基板を成膜装置に載置し、前記Si基板面上の膜厚測定にて表1の結果が得られた。
表1. 膜厚測定結果
成膜時間 (min) Bi膜厚 (nm) Mg膜厚 (nm)
30 8.2 30.2
60 14.8 60.5
90 22.9 90.3
膜厚測定の結果からBi薄膜の成膜レートを算出することが可能となり、そのレートを用いMg (10 nm) / Bi (1.0 m) / Mg (10 m) / Mg合金AZ31試料の製膜を実施することができた。
4.その他・特記事項 (Others)
成膜につきましては北陸先端科学技術大学院大学
村上達也博士からのご指導と多大なるご協力を
くださいまして誠にありがとうございました。
感謝申し上げます。
5.論文・学会発表 (Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許 (Patent)
なし。