利用報告書

TiO2添加がメソポーラスシリカの細孔構造への与える影響の調査
權堂 貴志
九州大学工学府材料物性工学専攻

課題番号 :S-15-KU-0005
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :TiO2添加がメソポーラスシリカの細孔構造への与える影響の調査
Program Title (English) :Effects for structure of the mesoporous silica by the addition TiO2
利用者名(日本語) :權堂 貴志
Username (English) :T. Gondo
所属名(日本語) :九州大学工学府材料物性工学専攻
Affiliation (English) :Department of Materials Physics and Chemistry, Graduate School of Engineering, Kyushu University

1.概要(Summary )
TiO2添加メソポーラスシリカを触媒担体として利用するためには,作製条件に依存した細孔構造の変化を評価する必要がある.評価方法の一つとして小角X線回折(≤1°)を用いて,細孔配列の規則性を評価する。

2.実験(Experimental)
別途作製したTiO2添加メソポーラスシリカに既報に従い金ナノ粒子を担持した。メソポーラスシリカの作製はブロックコポリマーの相分離を利用したテンプレート法である。添加するTiO2量を20から60wt%まで変化させて複合体をガラススライドにマウントし
26-1 全自動水平型多目的X線回折装置
(Rigaku社製, Smart Lab、管球9kW)によりX線回折測定を行った。測定角度は10~80°、積算1回。ピークの帰属は論文およびデータベースに基づいて行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
XRD測定の結果、アナターゼ型TiO2に由来する特徴的な回折ピークと金ナノ粒子の結晶面に由来するピークが観察された。金ナノ粒子に由来するピークの半値幅からシェラー式を用いて計算した粒径はおおよそ別途透過型電子顕微鏡観察から得られた金ナノ粒子の直径と一致した。(金ナノ粒子の粒径は20、40,50、60wt%添加においてそれぞれ5.5、4.4、4.3、3.0 nmであることが分かっている)。また、TiO2添加量においてもアナターゼ型の明確な回折パターンに大きな差異は見られなかった。別途実施した小角回折測定においてはメソポーラスシリカ構造の周期構造に由来する(100)(110)(200)(210)の特徴的なピークを示した。従ってXRD測定は3つのコンポーネント(金ナノ粒子、TiO2、メソポーラスシリカ)の周期構造を同時に観察できたことから、本研究に極めて重要な測定であったといえる。今後、触媒活性と金ナノ粒子の粒径、
メソポーラスシリカの構造、TiO2含有量との関係を丹念に調査し、触媒活性を上げるパラメータを探索する。

4.その他・特記事項(Others)
該当なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
該当なし

6.関連特許(Patent)
該当なし

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