利用報告書
課題番号 :S-15-JI-0001
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :有機半導体材料の開発とその評価
Program Title (English) :Development of organic semiconductor materials and their evaluation
利用者名(日本語) :山戸 斉、Fabien Nekelson
Username (English) :Hitoshi Yamato, Fabien Nekelson
所属名(日本語) :BASFジャパン株式会社
Affiliation (English) :BASF Japan Ltd.
1.概要(Summary )
P型有機半導体を用いた有機トランジスターを開発する上で、有機半導体材料のイオン化ポテンシャルの値はトランジスターの性能を決める重要なパラメーターの一つである。有機半導体材料を合成する前に、計算によりイオン化ポテンシャルを見積もることは、効率よく開発を進めるために非常に有効な手段であるが、計算値と実測値の相関を確認する必要がある。弊社では、イオン化ポテンシャルを測定する装置を有していないため、評価を依頼させていただいた。
2.実験(Experimental)
イオン化ポテンシャル:
正・逆光電子分光装置 (テックサイエンス PYS-200+IPES)
光電子分光装置
(理研計器製 UPS AC-2)
3.結果と考察(Results and Discussion)
あらかじめ密度汎関数法によりイオン化ポテンシャルの値を求めた9つのサンプルにつき、光電子分光装置を用いてイオン化ポテンシャルの測定をしていただいた。結果を以下の表および図に示す。一部の例外を除き、計算値が増加するに伴い、実験値も増加する傾向が確認された。また全体的には計算値の方が実験値に比べ、0.4eVほど大きな値になっていることが判明した。
Sample IPcal (eV) IPexp (eV)
1 5.53 5.28
2 5.52 5.14
3 5.42 5.22
4 5.41 4.91
5 5.41 4.96
6 5.83 5.16
7 5.86 5.47
8 5.64 5.33
9 5.77 5.53
その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







