課題番号 ：S-15-NU-0020
利用形態 ：技術代行
利用課題名（日本語） ：炭素化合物の表面評価
Program Title (English) ：Surface evaluation of carbon compound
利用者名（日本語） ：早川 慎吾 1), 福盛 啓師2) , 鷲見 祐介3)
Username (English) ：S.Hayakawa 1), K.Fukumori2) , Y.Sumi3)
所属名（日本語） ：1) 中京大学大学院, 2) ㈱メンテック,3)中京大学3年
Affiliation (English) ：1) Chukyo University, 2) Maintec Co., Ltd.,3) Chukyo University

１．概要（Summary ）
炭は炭化温度によりその性質を大きく変えるが、外見からはその違いがわからない。炭化温度の異なる炭素化合物の違いを、レーザーラマン分光光度計及びフーリエ変換型赤外分光装置(FT-IR)を用いて炭素化合物の表面を調べ、得られたスペクトルから炭化温度の違いによる構造変化を調べた。

２．実験（Experimental）
試料は電気炉の設定温度200℃, 400℃, 600℃, 800℃, 1000℃で炭化された炭素化合物であり、これらを以下の条件で測定を行った。

測定装置：レーザーラマン分光光度計(NRS-1000)
露光時間：10sec,
積算回数：2回
波数範囲：100-4000 cm-1
レーザーパワー：約1mW
対物レンズ：100倍

測定装置：FT-IR 4100(JASCO)
測定法：ATR法
波数範囲：650-4000ｃｍ−１
Geプリズム使用

３．結果と考察（Results and Discussion）
得られたラマンスペクトルをFig.1, IRスペクトルをFig.2に示す。
炭化温度によりスペクトルが大きく変わり、炭化温度が高いほど、炭素の結晶性が向上していることがわかった。これは炭素の黒鉛化が進んだためと考えられる。レーザーラマン分光光度計やフーリエ変換型赤外分光装置を

Fig.1 ラマンスペクトル 上から400℃,600℃,800℃,1000℃

Fig.2 IRスペクトル
上から0℃,200℃,400℃,600℃,800℃,1000℃

使用することにより、外見からは違いのわからない炭化温度の異なる炭素化合物の構造を知ることができた。

４．その他・特記事項（Others）
ラマンスペクトルは名古屋大学鳥居実恵氏、IRスペクトルは名古屋大学伊藤始氏に測定いただいた。

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
なし。

６．関連特許（Patent）
なし。