利用報告書
課題番号(Application Number):S-15-NR-0025
利用形態(Type of Service):機器利用
利用課題名(日本語) :無機微粒子のTEM画像撮影
Program Title (English) :TEM analysis of inorganic nanoparticles.
利用者名(日本語) :大橋賢次 1),
Username (English) :Oohashi Kenji1),
所属名(日本語) :1)積水化学工業株式会社
Affiliation (English) :1)SEKISUI CHEMICAL CO., LTD.
1.概要(Summary )
力学、光学、エネルギー、バイオ等々様々な分野において微粒子は利用されている。これらは特定の機能を発現させるために、コアシェル、ポーラス、異種粒子複合化など独自の粒子設計がされている。また、その実現には高い合成技術が必要となる。
本検討では、この合成技術の確立のためセラミックのハイブリッド粒子の合成に挑戦した。まず表面が負に帯電した微粒子Aを合成し、その粒径をTEMで確認した。この微粒子Aを、正電荷を持つ微粒子Bにハイブリッド化させようと試みた。
2.実験(Experimental)
合成した微粒子AのTEM観察を行い、粒子形状を確認した。また、微粒子Aと微粒子Bのハイブリッド化を行い、その吸着状態を確認した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
●微粒子A:形状観察
微粒子Aの合成結果を図1に示す。粒径約20nmの微粒子が合成出来ていることが分かった。しかし、これらは凝集している様子が観察され、これは粒子同士の負電荷による反発が小さいためと考える。分散した状態で粒子を得るためには強い負電荷を持つ配位子を付加させるなど粒子同士の反発を強くするか、より溶媒分散能の高い分散剤を添加し粒子と溶媒の相溶性を高くするなどの方法が考えられる。
●微粒子Aと微粒子Bのハイブリッド粒子合成
合成したハイブリッド粒子のTEM像を図1に示す。大部分は微粒子A、Bともに単体で存在しており、ハイブリッド粒子の合成を行うことは出来なかった。一部微粒子Aと微粒子Bが接近している様子が見られるが、これはTEM観察時にグリッドに滴下した溶媒が乾燥する際に微粒子同士が接触したものと考えられる。
ハイブリッドが出来なかった原因として粒子AとBの静電相互作用が弱かったことが考えられ、各微粒子の表面処理などが必要と考えられる。
図1. 微粒子AのTEM画像
図2. 微粒子Aと微粒子BのTEM画像
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







