利用報告書

異種材料接合界面の観察
前田 知宏
輝創株式会社

課題番号 :S-15-NU-0021
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :異種材料接合界面の観察
Program Title (English) :Evaluation for jointed interface of metal to plastics
利用者名(日本語) :前田 知宏
Username (English) :Tomohiro Maeda
所属名(日本語) :輝創株式会社
Affiliation (English) :Kisoh Co.,ltd

1.概要(Summary )
金属とプラスチックをアンカー効果と化学結合の2つの結合力にて接合しているが、化学結合の状態を確認する手段が無かった。可視光の領域において透過性の高いプラスチックを用いることによりレーザ顕微ラマン分光による界面状態の観察を行うことで、界面で発生している化学結合状態を明かにすることを目的とする。

2.実験(Experimental)
レーザラマン分光光度計を用いて金属とプラスチックの接合界面の測定を行い、ラマンスペクトルから界面での生成物の計測を行った。レーザはプラスチック側から照射し、プラスチックは可視領域に透過性を有するPET並びにPPを用いた。

3.結果と考察(Results and Discussion)
試験片としてA5052アルミ合金とPET樹脂の接合品を用いて計測を行ったが、PET樹脂由来のスペクトルと、観察されることが期待したスペクトルの領域が重なっていたために、目的としたスペクトル観察ができなかった。次にプラスチック材料をPPに変更して観察を行った。しかし、アルミ基材側にて変化が期待されたスペクトルの観察が行われたものの接合領域においては化学結合に由来すると考えられるスペクトルの観察ができなかった。観測できなかった理由として次の2つの原因が考えられる。①化学結合層が非常に薄いために顕微ラマン装置の焦点深度内に埋もれてしまい、観測できたスペクトルが基材からのバルク情報となってしまった。②化学結合形成用の材料をプラズマ照射により付加したが、接合時のレーザ加熱により変質若しくは消滅してしまった。加熱条件の設定並びに付加材料の検討を行うこととした。

4.その他・特記事項(Others)
支援者:
分子・物質合成 坂口特任教授
機器分析室 西村 真弓
測定並びに解析について適切なご助言を頂き感謝申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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