利用報告書

カーボン系非白金触媒のFe系活性点の観察
難波江裕太1)
1) 東京工業大学物質理工学院材料系

課題番号 :S-18-SH-0022
利用形態 :共同研究型支援
利用課題名(日本語) :カーボン系非白金触媒のFe系活性点の観察
Program Title (English) :Microscopy for Fe-based active center in Pt-free cathode catalysts
利用者名(日本語) :難波江裕太1)
Username (English) :Y. Nabae1),
所属名(日本語) :1) 東京工業大学物質理工学院材料系
Affiliation (English) :1) Department of Materials Science and Engineering, Tokyo Institute of Technology

1.概要(Summary )
固体高分子形燃料電池の非白金カソード触媒として、Fe、N、C原子を含む前駆体を熱処理して得られるカーボン材料が注目されており、我々研究グループは、ポリイミド微粒子の合成とその熱処理法を研究している。Fe錯体を微量含有するポリイミド微粒子を熱処理して得たFe/N/C系触媒には、Fe種がカーボン中に何らかの形でドープされている可能性が高く、その構造を明らかにすることは極めて重要である。また生成したカーボンの構造観察も興味深い。本研究では、収差補正透過型電子顕微鏡(Cs-TEM)により、係るFe/N/C系触媒の局所構造を観察した。

2.実験(Experimental)
既報に従いFe含有ポリイミド微粒子の合成を行った。これを高温で熱処理することにより得たカーボン粉末をCs-TEM(JEOL JEM-2100F, 80keV)を用いて観察した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
図1.に本研究で取得したTEM像とその暗視野像を示す。TEM像において、グラフェン数層から成る構造が複雑に絡まった様子が鮮明に観察された。また暗視野像では、ナノメートルオーダーの粒子上のFeは観察されず、Fe種が極めて高分散に分布していることが明らかとなった。

図1.観察した触媒粉末のTEM像(左)とその暗視野像(右)

4.その他・特記事項(Others)
本触媒粉末は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による委託研究を通じて作製された。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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