利用報告書

アジド化合物の光照射により生成する中間体の観測
安倍 学
広島大学大学院理学研究科化学専攻

課題番号 :S-18-MS-1068
利用形態 :
利用課題名(日本語) :アジド化合物の光照射により生成する中間体の観測
Program Title (English) :Direct Observation of Intermediates Generated in Photolysis of Azides
利用者名(日本語) :安倍 学
Username (English) :Manabu Abe
所属名(日本語) :広島大学大学院理学研究科化学専攻
Affiliation (English) :Department of Chemistry, Graduate School of Chemistry, Hiroshima University

1.概要(Summary )
本研究では,リン原子をα位に持つアジド化合物の光分解脱窒素反応を極低温マトリクス中で行い,その脱窒素反応で発生するフォスフィニリデン中間体を高磁場電子スピン共鳴スペクトルで直接観測し,その電子状態を明らかにすることを目的とした.その結果,観測可能な0-14500 Gの範囲内では,フォスフィニリデンを観測することはできなかった.

2.実験(Experimental)
アジド化合物のMTHF溶液を真空ラインを用いて,脱気封緘した.そのサンプルを,Bruker E500電子スピン共鳴分光装置にクライオスタットを装着し,持参したYAG laserを用いて5 Kにて,266 nmで光照射を行い,ESRスペクトルの測定を行った.

3.結果と考察(Results and Discussion)
本研究では,これまで誰も観測したことがないフォスフィニリデン中間体の直接観測を低温マトリクス状態での観測に挑戦した.その結果,測定範囲 (0-14500 G)内では,顕著なシグナルを観測することはできなかった.この結果は,スピン軌道相互作用効果が大きく,測定範囲外にシグナルが合わられていると考えられる.

4.その他・特記事項(Others)
なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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