利用報告書

ガラス流路の作製
日野和之1)
1) 愛知教育大学教育学部

課題番号 :S-18-MS-3004
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :ガラス流路の作製
Program Title (English) :Fabrication of glass microchannels
利用者名(日本語) :日野和之1)
Username (English) :K. Hino1)
所属名(日本語) :1) 愛知教育大学教育学部
Affiliation (English) :1) Aichi University of Education

1.概要(Summary )
 棒状のナノ粒子である金ナノロッドは、プラズモン吸収や増強電場を反応場やセンサー材料として利用するために、その集合構造の制御に強い関心がもたれている。我々はこれまでに、金ナノロッドに外部電場を印加することによって電場方向に配列させることを吸収スペクトルや小角X線散乱測定により追究してきた。このために、2枚のITOガラス電極で、溶液層をはさんで電圧をかける形の電場セルを開発した。しかしながら、このセルは試料の注入部が開いていることとバッチ型であるため、1)揮発性の溶液試料の測定が困難である、2)ショートする可能性がある、3)長時間の測定で試料にダメージがある、4)電場強度を十分に稼げないなどの問題点があった。そこで、これらの問題点を改良・改善するために、2016年度に装置開発室施設利用により循環型のガラス流路の作製を依頼した。今年度は、実験中にセルが破損したため、修理を依頼した。溶媒耐性についても検討していただいた。

2.実験(Experimental)
 ガラスの接着部分に隙間が空いてしまっていたので、接着剤を外側から浸透させ流し込むことでふさぐことにした。また、ストックしていたITOガラス基板を用いて再作製を試みたが、コネクター部分のパーツが欠品になっていたので、別のパーツでガラス基板に固定することにした。この際に、O-ringを固定させる接着剤の量を加減した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 接着剤を浸透させて再接着を行うことができた(図)。そこで、以前に電場印加効果が見られた試料を用いて電場印加吸収スペクトルを観測したが、プラズモン吸収の増減は観測されなかった。
 図 再接着したセル
 このため、セルの再作製を試みた。以前に用いたコネクター部分のパーツが欠品になっており、O-ringの固定のためにエポキシ系接着剤を用いた。接着剤を多く塗布した場合には、全く電場印加効果が見られず、少ない場合にもプラズモン吸収の増減はわずかにしか観測されなかった。以上により、エポキシ系接着剤が試料溶液と接触することにより、電場印加効果が消失することが分かった。おそらく、極性成分が溶け出すことが原因と考えられる。今後は、接着剤に触れることのない固定方法や将来的にはガラスの低温接合を検討する必要がある。

4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 深川記壮ほか, 第12回分子科学討論会, 平成30年9月13日.
(2) 深川記壮ほか, 第8回CSJ化学フェスタ2018, 平成30年10月23日.
(3) 深川記壮ほか, 日本化学会第99春季年会 (2019), 平成31年3月17日.
6.関連特許(Patent)
なし。

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