利用報告書
課題番号 :S-18-NU-0031
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :ナノバイオ分子合成・超解像解析評価システムによる移植幹細胞のマウス肝臓内動
態解析
Program Title (English) :In vivo visualization of transplanted stem cells in a mouse liver using
nanobio-molecule synthesis and super resolution analysis system.
利用者名(日本語) :石川哲也
Username (English) :T. Ishikawa
所属名(日本語) :名古屋大学大学院医学系研究科
Affiliation (English) :Graduate School of Medicine, Nagoya University
1.概要(Summary )
再生医療において移植細胞の生体内動態・局在の診断が可能なイメージング技術の確立は、治療の安全性を担保し、治療効果の向上に寄与する。本機器利用においては、ヒトiPS細胞より分化誘導した肝様細胞において、量子ドット(QD)によるラベル化手法の最適化及びマウスへの移植後のin vivoイメージングを試みた。
2.実験(Experimental)
iPS細胞由来肝様細胞において、QDをラベル化剤として用い、in vivoイメージングに適したラベル化効率、蛍光強度(MFI)の確保と分化後の細胞機能維持が可能なラベル化条件(QD濃度、ラベル化時間、タイミング)を検討した。ラベル化細胞は門脈経由でマウスに移植し、in vivo イメージングシステム(PerkinnElmer社製 INIS Lumina K ver4.4)、二光子励起顕微鏡(ナノバイオ分子合成・超解像解析評価システム ニコン製多光子共焦点レーザー顕微鏡A1RMP)を用いて移植後の体内動態、局在を観察した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
ラベル化効率、MFI、細胞機能についての検討より、QD濃度、ラベル化時間、ラベル化のタイミング等の最適化を進めた。好条件下においてラベル化したiPS細胞由来肝様細胞は、マウスへの移植後のin vivo、ex vivoイメージングにおいて、そのほとんどが長時間肝臓に留まり、肝類洞内に局在していることが確認できた。
本支援の機器利用を活用することで、QDラベル化肝様細胞がマウスへの移植後の生体内動態・局在の観察に対する有効性の確認を進めることができた。
4.その他・特記事項(Others)
本研究遂行にあたり、ご協力いただいた湯川博特任講師に感謝いたします。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。