利用報告書

材料の分子構造解析
栗林美樹、 大喜多拓己
ソニーグループ株式会社

課題番号 :S-20-JI-0020
利用形態 :機器利用支援
利用課題名(日本語) :材料の分子構造解析
Program Title (English) :Molecular structure Analysis
利用者名(日本語) :栗林美樹、 大喜多拓己
Username (English) :M.Kuribayashi、T. Okita
所属名(日本語) :ソニーグループ株式会社
Affiliation (English) :Sony Group Corporation

1. 概要(Summary )
①高分子有機材料、②低分子有機材料の分子構造未知物質に対し、材料開発の一助となる知見を得ることを目的として分子構造同定解析を行った。高質量分解能測定や高磁場NMR測定により、従来の手法では難しい複雑な構造の同定に至った。

2.実験(Experimental)
【利用装置】
NMR800MHz
FT-ICR MS SolariX
MALDI-TOF/TOF MS (ultrafleXtreme)

【サンプル形態】
①高分子有機材料
NMR分析用 液状物を重クロロホルムに溶解したもの
MS分析用  液状物をTHFに溶解したもの
②低分子有機材料
NMR分析用 粉体を重クロロホルムに溶解したもの

3.結果と考察(Results and Discussion)
①高分子有機材料
マトリックスにDCTB(tert-Butylphenyl)-2-methyl-2-propenylidene]malononitrile)とDHB(2,5-Dihydroxybenzoic Acid)を用い、マススペクトルを取得した(図1)。DCTBの場合はPEGに関する情報を、DHBではポリエステルに関する情報を多く取得することができ、繰り返し構造の推定および末端基の同定に至った。

図1 高分子有機材料のマススペクトル
(a)マトリックス DCTB、(b)マトリックス DHB

②低分子有機材料
従来であれば測定に1日程度の積算が必要であるのに対し、本測定では40分の測定で定量性のあるデータを取得することができ、分子構造の同定に至った。

4.その他・特記事項(Others)
実験にご協力いただいた、宮里朗夫氏、大木進野教授に感謝いたします。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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