利用報告書

DNA複合体薄膜の作製と光増幅素子への応用
川辺豊
千歳科学技術大学

課題番号 :S-17-CT-0063
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :DNA複合体薄膜の作製と光増幅素子への応用
Program Title (English) :Preparation of DNA complex thin films and their application to light amplification device
利用者名(日本語) :川辺豊
Username (English) :Y. Kawabe
所属名(日本語) :千歳科学技術大学
Affiliation (English) :Chitose Institute of Science and Technology

1.概要(Summary)
色素ドープDNA複合体薄膜による色素レーザーの研究を進めるにあたって、薄膜作製とその評価は不可欠である。本検討では、光増幅特性を評価するためDNA-cetyltrimethylammonium (DNA-CTMA) 複合体にヘミシアニン色素をさまざまな手法で導入した試料の作製と特性の評価を行った。特に、薄膜上への周期構造導入を目指して、DNA-CTMAにアゾ色素をドープした薄膜に関して、スピンコート法による膜厚の制御と、得られた薄膜の光吸収特性の評価を行った。その結果、アゾ色素をドープした場合でも非ドープと同様の膜質の試料が得られた。また、作製した試料に含浸法により色素ドープを行い、アゾ色素とヘミシアニン色素の両者を含む薄膜の作製に成功した。しかしながら、ヘミシアニン色素の発光性が著しく減弱することも明らかになった。
2.実験(Experimental)
通常の手法で合成したDNA-CTMA 0.5gをエタノール 10mlにアゾ色素 10mgとともに溶解し、ガラス基板上にスピンコート法(1000rpm、60s)で製膜した。アゾ色素はDR1およびDO3を用いた。作製した膜の厚みを、触針式表面形状測定器(アルバック社製 Dektak 6M、千歳科技大NP登録)を用いて計測した。得られた膜厚に応じて必要なヘミシアニン色素量を算出し、水溶液に含浸させることでドープさせた。ヘミシアニン色素の吸着を確認するため、吸収スペクトルを測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
得られた薄膜の厚みは非ドープのものが1.0m、アゾ色素をドープしたものが1.1mであった。これらをヘミシアニン水溶液(1mg/30cc)に含浸し、50時間後に取り出した。図1に示す試料の吸収スペクトルより、ヘミシアニン色素が膜にドープされたことが確認された。試料にUV光を照射し目視で観察した限りでは発光は観測されなかった。

図1.DR1およびヘミシアニンhemi1の分子構造とDNA-CTMA-DR1薄膜の含浸前後の吸収スペクトル

4.その他・特記事項(Others)
触針式表面形状測定器の使用に当たっては平井悠司NP委員・講師よりご教示を得た。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
今回の成果を直接記載したものは未発表であるが、2017年度中に出版した関連論文は以下のとおりである。
(1) Y. Kawabe, K. Okoshi, Opt. Mater. Exp. 8 (2), 332-341 (2018).
(2) Y. Kawabe, Y. Suzuki, T. Tanaka, K. Okoshi, Proc. SPIE 10440, 1044006 (2017).
6.関連特許(Patent)
なし

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