利用者インタビュー

―(株)かるなぁさんは大豆ミートや植物由来の食品を取り扱う会社ですが、余語さんをはじめ、社員の皆さんもベジタリアンなのでしょうか?

余語:私はベジタリアンですが、他の社員は違う人もいます。今、欧米ではフレキシタリアンという人が増えています。基本はベジタリアンだけど動物性のものも食べるという人達です。欧米は日本に比べて、宗教的な背景もあり、ベジタリアンフードなどの普及が進んでいます。環境問題への意識の高さともいえるでしょう。国内外の大企業が大豆ミートなどに開発や投資を始めています。

2040年にはお肉が食べられなくなるかもしれない

余語:地球人口は増加しており、家畜等の供給が間に合わなくなると言われています。家畜に回す飼料(穀物)を人の食料として回せば、より多くの人が食べ物を得る事ができます。ですから、今後日本人にとっても食料事情が大きく変化する可能性が高いのです。持続可能な生活をするためにも、代替タンパク質である大豆ミートなどに注目が集まっています。

―今のようにお肉が食べられるのはあとわずかかもしれない・・・という事ですね。そのほかにも、観光客の増加に伴う、外食産業等へのニーズも高まっていると聞きます。

余語:海外ではレストランメニューにベジタリアン向けのものが当たり前に入っていますが、日本はそうではありません。名古屋の某有名うどん屋に現在大豆ミート等を使っていただいていますが、ベジタリアンの方が観光に来ても日本の味を楽しんで帰ってもらえると好評です。外食産業や旅館業でも大豆ミートの需要は高まってくる事でしょう。

 

お肉らしい味の追求に走査型電子顕微鏡を使う

―松山さんは元JSTでナノテクノロジープラットフォーム 地域連携推進マネージャーをしていただいていましたが、かるなぁさんとはどのようなご縁でナノプラ紹介に至ったのでしょうか。

松山:JSTの時に地域の金融機関と連携したユーザーの発掘に取り組んでおり、金融機関の交流会でかるなぁさんとのご縁をいただきました。昨年くらいから海外で、植物などの材料から加工した疑似肉の市場展開が報告され、かるなぁさんの大豆ミートもさらにお肉らしい味に向けた研究開発がはじまりました。

松山:ジューシーで美味しい牛肉の組織構造を分析した文献があるのですが、100μm程度の肉汁が保たれる空孔が適度に分散されていることがわかっています。大豆ミートのうまみや触感をそれらに近づけるために、大豆ミートの加工条件を変え、それぞれを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにしました。大豆ミート以外にもおからこんにゃくなどの食材も観察し、触感とSEMからわかる空孔や構造との関係を検討してきました。

実施に、ジューシーさを示す組織構造が熟成等の加工を行う事で見られる事がわかりました。そのほか、大豆以外の植物性材料を混合した大豆ミートにはそれぞれの材料が結着している事がわかり、プルンとした食感の向上を示していると考えられます。

余語:このような科学的データを元に、今後の試作品開発の具体的な指針を得ることができました。引き続き、電子顕微鏡等の観察を通して、よりよい製品開発を進めていきたいと思います。特に、伝統の製法・自然由来の食材を使い、よりホンモノに近い大豆ミート開発に挑戦していきたいと思っています。

取材を終えて

余語さんは若いころの病気を期に、今までベジタリアンを続けておられるとの事でしたが、体にもよいものだ、というのはご本人を前に実感しました。また、自然環境や人口問題によりすぐ先の未来でお肉などが食べられなくなるかもしれないと知りました。大豆ミートが普及し、日本人がもっと身近に手に取るものになればいいなと期待しています。

 

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