利用報告書
課題番号 :S-16-NM-0092
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) : π電子系物質の合成と集積化
Program Title (English) : Synthesis and Assembly of π Electron System
利用者名(日本語) :譚 明翰
Username (English) :Tan Minghan
所属名(日本語) :筑波大学 数理物質科学研究科 化学専攻
Affiliation (English) :Department of Chemistry, Graduate School of Pure and Applied Sciences,
University of Tsukuba
1.概要(Summary)
超分子集合体は、分子が自発的に組織化することで形成される構造体である。分子間力を駆動力として形成される超分子集合体は、自己修復性を示す次世代材料として盛んに研究されている。近年、超分子集合体の形成過程に、化学反応が関与する超分子システムに関して、いくつか先駆的な報告がされている。このようなシステムでは、まるで生体分子システムのように、時間の流れの中で多彩に変化する現象が観測されている。このような超分子システムの研究は、自律的に機能する新規材料の開発につながることが期待される。しかし、このような超分子システムの報告は、未だ非常に少ない。
ナフタレンジイミドは、n型半導体として知られる機能性分子であり、学術的にも産業的にも盛んに研究されてきた。ごく最近、当研究室において、アルキニル化されたナフタレンジイミド誘導体が、アミン誘導体と簡便かつ高効率に反応することを発見した。興味深いことに、この反応の前後で、ナフタレンジイミド誘導体の電子状態が劇的に変化することが明らかとされてきた。
本研究では、アルキニル化されたナフタレンジイミド誘導体を基体とする超分子集合体の形成と、アミン誘導体との化学反応を組み合わせた超分子システムの構築を目指した。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
Recycling Preparative GPC
NMR
【実験方法】
Recycling Preparative GPC
新規に合成したナフタレンジイミド誘導体の分離・精製をRecycling Preparative GPCを用いて行った。
NMR測定
1H NMRおよび13C NMRによって、合成したナフタレンジイミド誘導体の同定を行った。
3.結果と考察 (Results and Discussion)
ナフタレンジイミド誘導体は、有機合成的手法によって合成した。
合成したナフタレンジイミド誘導体を精製するために、Recycling Preparative GPCをもちいた。ナフタレンジイミド誘導体のクロロホルム溶液を作成し、GPCによる精製を行った。
次に、精製したナフタレンジイミド誘導体の重クロロホルム溶液をもちい、1H NMRおよび 13C NMRを測定した。その結果、目的のナフタレンジイミド誘導体の生成が確認された。
以上から、目的のナフタレンジイミド誘導体の合成に成功した。今後は、この化合物の集合化挙動について詳細に検討を行う。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし
謝辞
竹村太郎博士、李潔様におきましては、各種測定の便宜を図っていただきました。ここにて深謝の意を表します。







