利用報告書
課題番号 :S-19-MS-1003
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :「X線結晶構造解析による新規合成有機化合物の構造決定」
Program Title (English) :Structure determination of newly synthesized organic compounds
with X-ray crystal structure analysis
利用者名(日本語) :藤沢 郁英1)
Username (English) :Ikuhide Fujisawa1)
所属名(日本語) :1) 豊橋技術科学大学 応用化学・生命工学系
Affiliation (English) :1) Applied Chemistry and Life Science, Toyohashi University of Technology
1.概要(Summary)
分子科学において、正確な分子の三次元立体構造はその分子の反応を考えたり、性質を予測したりする上で非常に重要である。本研究では、新規に合成された有機化合物の構造をX線結晶構造解析で決定することにより、各化合物の理解を深め、分子科学の分野に貢献することを目的としている。
2.実験(Experimental)
有機合成を行っている研究室からの依頼で、合成された8種類の有機低分子の構造をX線結晶構造解析により決定することを目指し、より高分解能で、良いデータを得られるように試みた。そのうち、7種類の結晶については絶対構造まで決定できるように測定を試みた。
5月8, 9日、6月6, 7日、8月6, 7日、10月30日、11月12, 13日、12月5, 6日、12月14, 15日、12月25, 26日、1月28, 29日、2月13, 14日、2月25, 26日、3月5, 6日に貴施設の単結晶X線回折測定装置(Mo線源、Rigaku社製 Mercury CCD-1, CCD-2)を使用し、CCDカメラで回折データを収集した。測定した結晶の多くは回折点を観測することができたため、結晶であることは確認できたが、高角の反射が出ない、mosaicityが高い、R-mergeが高い等の問題点があるものが多く、それぞれの結晶について温度、露光時間や取り付け方法等の測定条件を変えて、より良い回折データが得られるように試みた。揮発性溶媒分子が結晶格子中で他の分子と一定の相互作用をしている場合、X線照射により溶媒分子が振動または揮発することによる結晶性の低下が疑われたので、cryo測定の温度を下げ、X線露光時間を短くして測定した。1種類の結晶は少しの測定条件の違いでカウンターイオンや溶媒分子の向きや位置が微妙に変化することで結晶格子が2種類生じた。
構造解析は大学に回折データを持ち帰り行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
6種類の化合物については高分解能の回折データを測定でき、構造解析により絶対構造までの構造決定を行うことができた。1種類の化合物については絶対配置は他の方法で判明しているので、三次元構造の決定のみを行った。依頼者に報告し、既にいくつかはCSDに登録し、論文中で使用される予定である。
4.その他・特記事項(Others)
貴施設の単結晶X線回折装置の利用時には分子科学研究所機器センターの藤原先生と岡野先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
前年度までに測定し構造決定を行った結果が3報の論文の一部になった。
6.関連特許(Patent)
なし。







