利用報告書

「X線結晶構造解析による新規合成有機化合物の構造決定」
藤沢郁英(豊橋技術科学大学 応用化学・生命工学系)

課題番号 :S-20-MS-1013
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :「X線結晶構造解析による新規合成有機化合物の構造決定」
Program Title (English) :Structure determination of newly synthesized organic compounds
with X-ray crystal structure analysis
利用者名(日本語) :藤沢 郁英1)
Username (English) :Ikuhide Fujisawa1)
所属名(日本語) :1) 豊橋技術科学大学 応用化学・生命工学系
Affiliation (English) :1) Applied Chemistry and Life Science, Toyohashi University of Technology

1.概要(Summary )
分子科学において、正確な分子の三次元立体構造はその分子の反応を考えたり、性質を予測したりする上で非常に重要である。本研究では、新規に合成された有機化合物の構造をX線結晶構造解析で決定することにより、各化合物の理解を深め、分子科学の分野に貢献することを目的としている。

2.実験(Experimental)
有機合成を行っている研究室からの依頼で、合成された2種類の有機低分子の構造をX線結晶構造解析により決定することを目指し、より高分解能で、良いデータを得られるように試みた。2種類ともラセミ体の結晶であった。
11月23, 24日、12月3, 4日、3月17, 18日に貴施設の単結晶X線回折測定装置(Mo線源、Rigaku社製 Mercury CCD-1, CCD-2)を使用し、CCDカメラで回折データを収集した。測定した結晶の多くは回折点を観測することができたため、結晶であることは確認できたが、少しだけmosaicityが高い、R-mergeが高い等の問題点があったため、露光時間やカメラ長等の測定条件を変えて、より良い回折データが得られるように試みた。構造解析は大学に回折データを持ち帰り行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
2種類の化合物については高分解能の回折データを測定でき、構造解析により絶対構造までの構造決定を行うことができた。2種類の化合物ともラセミ体であることは、他の方法から明らかだったので三次元構造の決定のみを行った。依頼者に報告し、論文中で使用される予定である。

4.その他・特記事項(Others)
貴施設の単結晶X線回折装置の利用時には分子科学研究所機器センターの藤原先生と岡野先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
前年度までに測定し構造決定を行った結果が1報の論文の一部になった。

6.関連特許(Patent)
なし。

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