利用報告書

ろ過材の開発
夛田量宏
北海道曹達株式会社

課題番号 :S-17-CT-0075
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :ろ過材の開発
Program Title (English) :Development of filter medium
利用者名(日本語) :夛田量宏1)
Username (English) :K. Tada1)
所属名(日本語) :1) 北海道曹達株式会社
Affiliation (English) :1) Hokkaido Soda Co., Ltd.

1.概要(Summary )
我々は多孔質構造を持つウニ殻を用いた生物ろ過材の開発を行っている。ろ過材は生のウニ殻から表皮などのタンパク質を取り除いて作製し、このウニ殻ろ過材の使用前、使用後の表面観察を行った。
2.実験(Experimental)
生のウニ殻をアルカリ液により表面の脱タンパク、脱色を行うことで多孔質な炭酸カルシウムのろ過材を作製した。このウニ殻ろ過材を生物ろ過材として魚の飼育に使用しその前後の表面観察を行った。表面観察は千歳科学技術大学の電解放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM、日本電子JSM-7800F)を用いた。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1に示すのはキタムラサキウニの生ウニ殻であり、これをアルカリ処理することにより得られたウニ殻ろ過材を図2に示す。このウニ殻ろ過材の多孔質構造のSEM像を図3示す。部位によって異なるが表面の多くは数10μmの孔径の多孔質構造が層状になっている。このウニ殻ろ過材を生物ろ過材として魚の飼育水槽で使用後に得られたSEM像が図4である。使用済みのウニ殻ろ過材は表面が汚れているか摩耗している様子が見られるが、細孔は未使用のものと変わりなく残っていることが確認できた。閉塞することなく水質を浄化する微生物の棲家として機能していることがわかった。

図1 生ウニ殻

図2 ウニ殻ろ過材

図3 ウニ殻ろ過材使用前の表面

図4 ウニ殻ろ過材使用後の表面

4.その他・特記事項(Others)
本課題は釧路水産試験場との共同研究のもとで行われました。関係各位に御礼申し上げます。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。

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