利用報告書
課題番号 :S-19-MS-1010
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :アゾベンゼン含有磁性錯体へ光渦UV照射による超分子らせん分子配向誘起のCD測定
Program Title (English) :CD spectroscopy of supramolecular chirality induction by optical vortex UV light to magnetic azo-metal complexes
利用者名(日本語) :山﨑柊1), 吉田聖人1), 秋津貴城1)
Username (English) : S. Yamazaki1), M. Yoshida1), T. Akitsu1)
所属名(日本語) :1) 東京理科大学理学部(理学研究科)
Affiliation (English) :1) Faculty of Science、Tokyo University of Science
1.概要(Summary )
UVSOR BL-1Uを用いて、Fig.1のようなアゾベンゼン部位と剛直なπ共役系を含む金属錯体(M=Cu(II) 常磁性、Zn(II) 反磁性)を分散したPMMAキャストフィルム複合材料に直線偏光、円偏光、そして軌道角運動量をもつ紫外波長領域の光渦を照射した前後の諸変化を、CDスペクトルを用いて調査した。
Fig. 1. Molecular structures of metal complexes (M= Cu(II) and Zn(II)).
2.実験(Experimental)
本研究ではUV偏光照射による配向制御の実態をより詳しく調べるべくフェナジン部位を導入したY字型アキラル金属錯体を分子設計した。フェナジン部位はアゾベンゼンと同じく2つの芳香環とN原子を2つ持ちtrans体ではプロペラ形状になることから円偏光や光渦の効果を受けやすくなると期待されている。異なる条件でそのPMMAキャストフィルム膜に光渦を照射し、JASCO J-720WIを用いて、照射前後のCDスペクトルをいくつかの角度や表裏を回転させて測定することで、配向試料の影響の除去を考慮した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
実験室系で直線偏光紫外光の照射により光学異方性が発現した。さらに円偏光照射前後にCDスペクトルの測定を行ったところ、照射後に新たなキラリティが発現することを見出した。その結果、Zn(II)錯体の光配向特性がより優れていることが分かった。
さらに、分子研UVSORを利用して放射光光源の紫外領域の光渦を照射した際のCDスペクトルを回転させて5点測定した(Fig. 2)。各スペクトルを周期的な三角関数で近似して解析すると、らせん配向秩序のうち直線偏光成分と光渦特有の軌道角運動量の成分の抽出に成功し、後者の寄与が小さいことが今回初めて明らかになった。
Fig. 2. CD spectra for the Zn complex-PMMA sample after optical vortex irradiation. KBr disk were rotated at five points to cancel artifact CD peaks.
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) S. Yamazaki, M. Yoshida, T. Haraguchi, T. Akitsu, M. Fujimoto, M. Katoh UVSORシンポジウム2019, 2019年11月16日
(2) S. Yagi, M. Yoshida, S. Yamazaki, T. Haraguchi, T. Akitsu, M. Fujimoto, M. Katoh, M. Fujiki UVSORシンポジウム2019, 2019年11月16日
6.関連特許(Patent)
なし







