利用報告書
課題番号 :S-19-MS-1029
利用形態 :ナノテクプラットフォーム
利用課題名(日本語) :アミノピリジンを配位子とする二核金属錯体の構造解析と電子状態
Program Title (English) :Geometrical Analyses and Electronic Structures of Dinuclear Complexes with
Aminopyridine Ligands
利用者名(日本語) :片岡祐介, 矢野なつみ
Username (English) :Y. Kataoka, N. Yano
所属名(日本語) :島根大学大学院自然科学研究科
Affiliation (English) :Department of Natural Science,Shimane University
1.概要(Summary )
申請者らは最近, 対称な架橋構造を形成可能なベンズアミジンを配位子とするルテニウム二核錯体が,基底状態においてRu(III)-Ru(III)の酸化状態・S=1のスピン状態を形成することを明らかにした。本研究では, 非対称な分子構造を有する2-アミノピリジン及びその誘導体を架橋配位子とした際のルテニウム二核錯体の構造解析と電子状態を明らかにすることを目的として研究を行なった。
2.実験(Experimental)
ルテニウム錯体の合成とそれらの単結晶の作成は、申請者の所属機関である島根大学で実施した。測定に使用するサンプルは、結晶化溶媒に浸した状態及び乾燥した粉末状態で分子科学研究所に持参した。単結晶X線回折測定は、単結晶X線回折装置RIGAKU MERCURY CCD-1, CCD-2及びHyPix-AFC(微小結晶用: 旧CCD-3)を使用した。 測定温度は、−123℃で実施した。単結晶は、クライオループ及び流動パラフィンを使用してゴニオメーターヘッドに固定した。 反射データは、Crystal Clear (RIGAKU社製)およびCrysAlis(Rigaku-oxford diffraction社製)で処理し、その後、Crystal Structure (RIGAKU社製)およびPLATON SQUEEZEなどのソフトウェアを使用して構造解析を実施した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
結晶構造解析の結果, 開発したルテニウム二核錯体のアミノピリジン配位子はルテニウム二核骨格に対し, cis-2,2型で配位することが明らかになった(図1を参照)。また, 軸配位子として2つの塩素イオンが配位していることからルテニウム二核錯体の酸化状態は, Ru(III)-Ru(III)である事が示唆された。同錯体に対して温度依存磁化率測定(SQUID)を実施した結果, S=1のスピン状態である事が確認できた。
図1.アミノピリジンが配位したルテニウム二核錯体の結晶構造
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) Y. Kataoka, N. Imasaki, K. Arakawa, N. Yano, H. Sakiyama, T. Sugimori, M. Mitsumi, and M. Handa, Dalton Transactions, Vol. 48(2019)p.p.12421-12429.
[Selected as Backcover Picture]
(2) 今崎那奈子, 矢野なつみ, 崎山博史, 満身稔, 半田真, 片岡祐介, 2019年日本化学会中国四国支部大会, ポスター発表(2P-025). [ポスター賞授業: 今崎那奈子]
(3) 今崎那奈子, 片岡祐介, 矢野なつみ, 崎山博史, 杉森保, 満身稔, 半田真, 第9回CSJ化学フェスタ2019, ポスター発表(P4-060). [ポスター賞受賞: 今崎那奈子]
(4) 今崎那奈子, 片岡祐介, 矢野なつみ, 崎山博史, 杉森保, 満身稔, 半田真,錯体化学会第69回討論会, ポスター発表 (1PA-083).
6.関連特許(Patent)
なし。







