利用報告書

アルミ電解コンデンサ用電極箔の強度評価方法
加藤太郎1), 坂井陽文1)
1) ニチコン製箔株式会社,

課題番号 :S-19-SH-0008
利用形態 :共同研究型支援
利用課題名(日本語) :アルミ電解コンデンサ用電極箔の強度評価方法
Program Title (English) :Strength evaluation method of aluminum foils for electrolytic capacitor
利用者名(日本語) :加藤太郎1), 坂井陽文1)
Username (English) :Taro katou1), Kiyofumi Sakai 1)
所属名(日本語) :1) ニチコン製箔株式会社,
Affiliation (English) :1) Nichicon Hi-Tech Foil Corporation

1.概要(Summary )
巻回形アルミ電解コンデンサ用の電極箔には、素子の巻取時に「曲げ負荷」と「引張負荷」が加わり、
これらの負荷に耐えうる強度が求められる。
現状における電極箔の強度評価方法は、引張、折曲の強度をそれぞれ別に評価しており、素子巻取時にかかる負荷を十分に再現できているとはいえない。
電極箔強度の精度向上を図ることを目的に、コンデンサ素子の巻取状態に近い負荷を再現できないか、
本プラットフォームに相談し、評価検討いただいた。

2.実験(Experimental)
・以下写真のような引張治具を作製
(引張試験機に取り付けられる形状)
・試料である電極箔を「U」の字にして、電極箔の
Uの字側を丸棒側治具の丸棒にかける
(丸棒の径はφ3.5~φ2.0で実施)
・試料の端部側(2か所)は端部側の治具でチャック
して、引張試験機で上下に引張る
・丸棒部で試料が破断した時の荷重を記録する

3.結果と考察(Results and Discussion)
検証に用いた電極箔は、製造条件が異なる以下の試料
とした。
 ・厚み
 ・表面の凹凸(エッチングピット形状)
 ・表面のアルミ酸化皮膜状態(化成条件)
結果)
治具の丸棒径を変更することにより、以下の傾向が
確認された。
丸棒径:小 
・・・ 厚み、ピット形状の差による影響が出やすい
丸棒径:大
・・・ 化成条件の差による影響が出やすい

今回の評価方法では、引張、折曲の負荷を取り入れた形となっており、素子巻取状態に近い負荷での電極箔強度を示す指標の一つとして有用な評価方法が確立出来た。

4.その他・特記事項(Others)
今回の強度評価方法については、先鋭材料研究所 
特任教授 清水様にご協力いただき、治具の作製、
および測定を実施いただきました。
また、測定結果についての質問にもご対応、ご説明いただき、評価検証を進めることができました。
大変感謝しております。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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