利用報告書
課題番号 :S-16-JI-0015
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :イオンビームによる微細加工
Program Title (English) :Nano processing by FIB
利用者名(日本語) :小堺智一
Username (English) :Tomokazu Kozakai
所属名(日本語) :株式会社 日立ハイテクサイエンス
Affiliation (English) :Hitachi High-Tech Science Corporation
1.概要(Summary)
集束イオンビーム装置(FIB)では、イオンビームの走査によって試料表面のイメージングができる他、イオンビームによるスパッタリング効果や表面反応を利用することで、局所的にエッチングや成膜の微細加工を行うことができる。従来のFIBはGa液体金属イオン源(LMIS)を用いている。これに対して、新しいイオン源として、電界電離型ガスイオン源(GFIS)を搭載したFIB装置(GFIS-FIB)では、従来のFIBと比べ、金属汚染がなく、集束特性が向上している。今回、GFIS-FIBによりガスイオンをSi基盤に打ち込んだ際の断面形状を見たいとある半導体メーカーから要望があり、北陸先端科学技術大学院大学のナノテクノロジープラットフォーム事業で供されているGFIS搭載微細加工機を利用して、サンプルを作製しその半導体メーカーに送った。
2.実験(Experimental)
実験には、GFIS搭載微細加工機として北陸先端科学技術大学院大学に設置されている、電界電離ガスイオン源搭載集束イオンビーム装置・GFIS-FIB(株式会社日立ハイテクサイエンス製 MR-GFIS)を使用した。実験手順は次の通り。
1. サンプル(Si基盤)をフォトマスク用ローダーに取り付けてGFIS-FIB装置へ導入。
2. GFIS-FIB装置内においてイオンビームスパッタリングによりサンプル上にアライメントマークを作製。
3. 作製したアライメントマークを基に位置を決め、幅1ドット・長さ数µmの1ラインパターンを、イオン打ち込み量(Doze)を変えて複数ライン作製。(イオン注入)
3.結果と考察(Results and Discussion)
サンプルへのイオン注入自体は成功した。イオン注入したサンプルは断面観察のため半導体メーカーに送ったが、まだ評価中であり結果を受け取っていない。
一つ問題として、サンプル(Si基盤)をフォトマスク用のローダーに取り付ける際の環境が良くなかったようで、サンプルが汚染されていたらしい。したがって、同様の実験をスムーズに行うためには専用の治具を作製する必要がある。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







