利用報告書

ウエハ上におけるナノ・マイクロスケール3次元加工技術開発
青木画奈1), 棚橋雄也2), 山本琢磨2), 瀧谷昇哉2)
1) 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環 2) 神戸大学、大学院工学研究科、 電気電子工学専攻  

課題番号 :S-16-OS-0017
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ウエハ上におけるナノ・マイクロスケール3次元加工技術開発
Program Title (English) :Assembly of nano and micro scale three-dimensional structures on a wafer
利用者名(日本語) :青木画奈1), 棚橋雄也2), 山本琢磨2), 瀧谷昇哉2)
Username (English) :K. Aoki1), Y. Tanahashi2), T. Yamamoto2), S. Takidani2)
所属名(日本語) :1) 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環 2) 神戸大学、大学院工学研究科、
電気電子工学専攻
Affiliation (English) :1) OAST, Kobe University, 2) Graduate School of Eng., Kobe University.

1.概要(Summary)
利用者らは、シリコンウエハ表面に陽極酸化法で多孔質層を形成し、その多孔質層に曲げ加工を施す技術や、材料の磁気的性質を利用してナノ・マイクロ構造体を自発的に3次元配列させる磁場アセンブリの開発を行っている。作製した構造体の内部構造を把握するために、各種構造体を集束イオンビーム装置で切断し、内部を観察した。その結果、シリコン多孔質のチューブ内部は初期のパターン形状で巻き方が異なることが分かった。磁場アセンブリ法でウエハの法線方向に積層したφ1 µmの微粒子は、底辺から頂上に至るまで250 nmのギャップを形成していることが分かった。

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
集束イオンビーム装置 (FIB)、ナノ粒子解析装置
【実験方法】
自研究室で作製したチューブ状ポーラスシリコン膜、およびφ1 µm微粒子の3次元配列構造を集束イオンビーム装置で切断し、内部構造を2次電子像で確認した。単位構造体間距離とクーロン反発力との関係を調べるためにナノ粒子解析装置を用いた。
3.結果と考察(Results and Discussion)
シリコンウエハ表面に形成したポーラスシリコン層を様々な形状にパターニングし、熱酸化すると層内の熱膨張率の違いに起因して円曲変形する。この特性を利用してチューブを形成した場合、初期のパターン形状によって内部構造に違いが生じるかどうかが未確認であった。本研究では、異なるパターンから形成したチューブをFIBで切断し、内部構造を確認した。Fig. 1に厚さ 1 µm、60 x 150 µmの楕円および矩形のポーラスシリコン層から形成したチューブ断面図を示す。外側の形状はほぼ同じだが、矩形パターンは螺旋状、楕円パターンは密なチューブ状に巻いていることが分かった。
磁場アセンブリ法でウエハ表面の法線方向に自己組織的に形成した微粒子配列の、走査型電子顕微鏡で観察出来ない深部の状態が不明であった。Fig. 2に示すように、φ1 µmの微粒子が基板の法線方向に3個並び、隣接する列間に250 nmのギャップが形成されていることが分かった。
4.その他・特記事項(Others)
・平成27年度 先端加工機械技術振興協会研究助成
「シリコンウエハ陽極酸化とレーザ照射による3次元曲面シリカ構造体作製技術の開発」
・関連する課題番号;F-16-OS-0022
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 瀧谷昇哉 他、第77回応用物理学会秋期学術講演会、朱鷺メッセ、新潟、平成28年9月13日.
6.関連特許(Patent)
なし

©2025 Molecule and Material Synthesis Platform All rights reserved.