利用報告書
課題番号 :S-17-NU-0007
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :ウレタンのNMR解析
Program Title (English) :Analysis of Polyurethane by NMR
利用者名(日本語) :小野美奈
Username (English) :Mina Ono
所属名(日本語) :スターライト工業株式会社
Affiliation (English) :STARLITE Co., Ltd.
1.概要(Summary
ポリウレタン製造の安定化に向け、ポリウレタンのNMRによる構造解析を行った。また、製品物性に大きな影響を与えるウレタンとウレアの比率算出も行った。
2.実験(Experimental)
凍結粉砕機にて粉砕したポリウレタンを、DMSO-D6に溶解した。評価試料は、NMR測定において溶解性に問題が出ないことを前提に、異なる2種の系統のものをそれぞれ3個ずつ用意した。次に、NMR(500MHz)装置Varian社製OXFORD500を使用して、室温下で1H-NMR、13C-NMRスペクトルを取得した。また、HH-COSYによりプロトンシグナル間の位置関係の把握、HSQC、HMBCスペクトルによるプロトンと近傍のカーボンとの位置関係把握も行った。
測定したスペクトル例を図1に示した。
図1.測定した1H-NMRスペクトル例
3.結果と考察(Results and Discussion)
得られた各シグナルより、ウレタンの詳細な構造解析を行った。また1H-NMRの8~10ppmに認められたシグナルのうち、8.6ppm以上をウレタン由来、8.58ppmまでをウレア由来とし、ウレタンとウレア比率の算出を行った。この結果は、今後社内における工程管理を行う上での有用な知見となった。
4.その他・特記事項(Others)
参考文献:高分子分析ハンドブック
・3.12 ポリウレタン繊維、
・4.11 ポリウレタンエラストマー
支援者:分析および技術支援を頂いた名古屋大学ナノテクノロジープラットフォーム坂口特任教授、近藤氏、及び鳥居氏に感謝致します。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし