利用報告書

エポン樹脂包埋した試料における細胞内小器官の探索法の開発
渡邉敬文(酪農学園大学 獣医学群 獣医学類)

課題番号 :S-20-CT-0121
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :エポン樹脂包埋した試料における細胞内小器官の探索法の開発
Program Title (English) :Development of a method to search for intracellular organelles in Epon
resin-embedded samples
利用者名(日本語) :渡邉敬文
Username (English) :Takafumi Watanabe
所属名(日本語) :酪農学園大学 獣医学群 獣医学類
Affiliation (English) :Rakuno Gakuen University, Department of Veterinary Medicine

1.概要(Summary )
 近年の走査型電子顕微鏡の性能向上により、樹脂包埋した超薄切片を走査型電子顕微鏡の反射電子像で、透過型電子顕微鏡を用いて得られる像と同等の画像取得が可能になっている。
 超薄切片を連続で作成し、基板に回収したものを走査型電子顕微鏡の反射電子像で各超薄切片を観察することで、連続した透過型電子顕微鏡像と同等の像を得ることができる。
エポン樹脂包埋した生物用試料は、通常は超薄切片を作製した後に透過型電子顕微鏡で観察する。本研究は、シリコンウェハに搭載した超薄切片を走査型電子顕微鏡の反射電子像で観察し、細胞内小器官の構造を解析することを目的とした。

2.実験(Experimental)
 ニワトリ骨格筋を樹脂包埋し、超薄切片をシリコンウェハに搭載した。電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)(JSM-7800, 日本電子社製、公立千歳科学技術大学登録装置)で観察し、反射電子像を得た。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 昨年度の実験では、ウシ浅趾屈筋腱の分岐部を樹脂包埋し、約100枚の連続した100nm厚の超薄切片を基板に回収し、基板上の連続した超薄切片を電界放出型走査型電子顕微鏡で観察し、連続像を得ることができた。得られた像は透過型電子顕微鏡像と同等の像であると考えられた。しかしながら、今回のニワトリ骨格筋の撮像では、明瞭な反射電子像を得ることが出来なかった。今後は種々の条件設定を試しながら撮像条件を設定していく予定である。

4.その他・特記事項(Others)
 なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
 なし

6.関連特許(Patent)
 なし

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