利用報告書
課題番号 :S-18-SH-0012
利用形態 :共同研究型支援
利用課題名(日本語) :エンブラ及びゴム中ケッチェンブランクの形態観察
Program Title (English) :Morphology evaluation of Ketjenblack in engineering plastics or Elastomer
利用者名(日本語) :青島 誠1)
Username (English) :M. Aoshima1)
所属名(日本語) :1) ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社
Affiliation (English) :1) LION SPECIALTY CHEMICALS Co., Ltd.
1.概要(Summary )
オレフィン樹脂に炭素繊維とエラストマーを配合した系において、エラストマー(オレフィン系エラストマーまたはスチレン系エラストマー)の違いにより機械強度に差が生じる。エラストマーの種類によるモルフォロジーに変化が生じると考えTEMを行った。今回使用したTEMの分解能が高く、目標とするエラストマー全体の観察は困難であり、明確な違いを確認することは出来なかった。今後、他の装置を用いてエラストマーの違いによる機械強度への影響を確認していく。
2.実験(Experimental)
2軸押出し機を用いてオレフィン樹脂、エラストマー、炭素繊維を配合し、ペレットを調製した。本ペレットを用いて、射出成形機にてISOプレートを成形した。更に、ミクロトームを用いてTEM観察できるように100nm程度の厚みの切片を作成した。その後、球面収差補正装置装着JEOL JEM-2100F 透過型電子顕微鏡を用いてエラストマーの分散状態を観察した。
(観察条件 80keV)
3.結果と考察(Results and Discussion)
倍率を変えて観察を行ったが、エラストマーの分散を捉えることが出来ず、その種類の違いによるモルフォロジーの差は確認できなかった(図1~2)。
染色条件や切片作成方法など観察条件の更なる検討が必要と考える。また、エラストマーの分散サイズは数㎛~十数㎛程度と予測される為、本装置の高分解能では最適な観察レベルを超えている可能性も考えられる。
図1.オレフィン系エラストマーTEM画像
図2.スチレン系エラストマーTEM画像
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。