利用報告書
課題番号 :S-20-NM-0012
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :オミックス解析によるMycobacterium avium complex症、および多剤耐性結核症感染組織における特異的分子マーカーの探索
Program Title (English) :Investigation of novel molecular markers in mycobacterial granulomatous lesions of Mycobacterium avium complex pulmonary disease and multi-drug resistant tuberculosis by omics analyses
利用者名(日本語) :瀬戸真太郎
Username (English) :Shintaro Seto
所属名(日本語) :結核研究所生体防御部
Affiliation (English) :Department of Pathophysiology and Host Defense, Research Institute of Tuberculosis
1.概要(Summary )
本研究の目的は、多剤耐性結核症の手術標本から肉芽腫のタンパク質を抽出して、プロテオミクス解析によって、結核感染組織で特異的に発現しているタンパク質、遺伝子を同定することである。また、肺Mycobacterium avium complex(MAC)症の感染組織と比較することによって、それぞれの病変組織で特異的に発現する分子マーカーを同定することができる。本研究によって、未だ明らかになっていない多剤耐性結核症および肺MAC症の病変形成にかかわる宿主因子の発見が期待できる。本年度は結核病変形成において重要なマーカーとなりえる泡沫化マクロファージ(FM)を特徴づける遺伝子探索を行った。
2.実験(Experimental)
結核菌感染によって乾酪壊死を伴う肉芽腫を形成する結核マウスモデルを用いて、感染肺のFFPEを作成した。LMD7000を用いて、レーザーマイクロダイセクション法によって、結核肉芽腫乾酪壊死、FM、そしてその周りの細胞層に分画した。それぞれの画分からタンパク質、RNAを抽出して、プロテオミクス、RNA-seqを行い、それぞれの感染組織における遺伝子発現様式を明らかにした。
3.結果と考察(Results and Discussion)
結核菌感染マウス肺のFFPE標本からLMDで分画した乾酪壊死、FM、細胞層から、タンパク質、RNAを抽出して、プロテオミクス、RNA-seqを行った。発現差解析によって、それぞれの感染組織で特異的に発現している遺伝子群を明らかにすることができた。また、FMで発言量が高い共通するタンパク質、遺伝子を同定した結果、7遺伝子を同定した。
4.その他・特記事項(Others)
利用にあたりNIMSの李香蘭氏の支援を受けた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし