利用報告書
課題番号 :S-19-NM-0041
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :カチオン性ポリカプロラクトンのメカノバイオロジー研究への応用展開
Program Title (English) :Application of cationized poly-caprolactone aiming to mechano-biology studies
利用者名(日本語) :武内友汰, 座古崇史,荻野実玖,青柳隆夫
Username (English) :Y. Takeuchi, T. Zako, M. Ogino, T.Aoyagi
所属名(日本語) :日本大学大学院 理工学研究科 物質応用化学専攻
Affiliation (English) :Department of Materials and Applied Chemistry, Science and Engineering,
Graduate School of Science and Engineering, Nihon University
1.概要(Summary )
形状記憶性を有するポリカプロラクトン(PCL)をベースとした材料をメカノバイオロジー研究に供するために、細胞親和性を向上させる目的でカチオン基を導入したPCL架橋ナノ微粒子の調製法と形状変化、およびPCLフィルム表面へのカチオン基の導入法を検討した。カチオン化ナノ粒子に関しては、細胞との強い親和性が確認された。また、フィルム状態でのPCL表面への直接カチオンを種々の条件で検討した結果、界面で反応が進行しカチオン化反応が進行することが確認された。形状記憶性を発揮しつつ、表面のカチオン基の導入によってコラーゲンやフィブロネクチンなどの細胞接着性のタンパク質を用いずに細胞と材料物性の関係を明らかにできると考えられた。
2.実験(Experimental)
ブタンジオールまたはペンタエリトリトールを開始剤としてカプロラクトンの開環重合、末端へのメタクリル基の導入を行い、架橋反応性の分岐PCLを調製した。また、メタクリル基の代わりにブロモアセチルブロミドと反応、さらにトリメチルアミンと反応させて分岐連鎖末端にカチオン基を有するPCLを合成した。
先のメタクリル末端分岐PCLおよびカチオン化PCL
を所定の混合比に調整し、光開始剤と共にTHFに溶解後、攪拌しながら水に注ぎUV光を照射して架橋されたカチオン化PCLナノ粒子を得た。
また、先の条件で、カプロラクトンと-ブロモブチロラクトンとを共重合させ連鎖中にブロモ基を導入した分岐数の異なるメタクリル末端分岐PCLを合成した。と光開始剤をTHFに溶解させ、ガラス板に挟んだステンレス製金型に流し込み、さらにUV光を照射して架橋を行い、フィルムを調製した。この架橋フィルムに種々の条件でアミンと反応させ、固体状態で表面カチオン化を行った。ナノ粒子のサイズおよびそれとフィルム表面のゼータ電位は、動的光散乱(DLC-8000HAL)、レーザーゼータ電位計(ELSZ-1000)を用いて測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
カチオン化したいPCLナノ粒子は、メタクリル末端分岐PCLとカチオン化PCLとの混合比およびナノ粒子調製法(溶媒置換法および液中乾燥法)によって得られるP粒子の大きさは制御できることがわかった。また、形状記憶性はサイズ減少と共に変形後の粒子の回収が困難となった。変形前の名の粒子は細胞との親和性が発煙していており、表面のカチオン性が発揮されていることがわかった。PCL固体フィルムにおいては、表面修飾の際にフィルムが膨潤する溶媒を用いると得られた材料の熱的性質が変化してしまうことが示差走査型熱分析により明らかとなった。また、膨潤しない溶媒を用いても界面でカチオン化反応が進行することがゼータ電位測定により確認された。以上より、カチオン化PCLのメカノバイオロジー研究に有用であることが示唆された。
4.その他・特記事項(Others)
装置の利用に際しNIMS李潔氏、服部氏の支援を受けた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 武内 友汰, 星 徹, 青柳 隆夫, 第68回高分子討論会、令和元年9月25日.
(2) 座古 崇史 、星 徹 、青柳 隆夫, 第68回高分子討論会、令和元年9月25日.
(3) T. Zako, T. Hoshi, T. Aoyagi, 2nd G’L’owing Polymer Symposium in KANTO, 30th Nov. 2019
6.関連特許(Patent)
なし







