利用報告書

カーボンナノチューブの分離に関する研究
橋本 悟, 橋本 剛
株式会社名城ナノカーボン

課題番号 :S-16-KU-0052
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :カーボンナノチューブの分離に関する研究
Program Title (English) :Research of separation for CNTs
利用者名(日本語) :橋本 悟, 橋本 剛
Username (English) :S. Hashimoto, T. Hashimoto
所属名(日本語) :株式会社名城ナノカーボン
Affiliation (English) :MEIJO NANO CARBON, Co., Ltd.

1.概要(Summary )
長鎖アルキル基を持つフラビン類の合成、並びにそれを用いた半導体性/金属性カーボンナノチューブ(CNT)の効率的な分離に関する九大との共同研究を促進するために、ナノテクPF登録機器を活用する。まず、九州大学において、長鎖アルキル基を持つフラビン類の合成スキームを検討し、合成装置を用いて合成、その後、登録機器を用いて半導体性/金属性CNT分離と分離に関する研究を行った。分離の評価法についても習得を目指した。

2.実験(Experimental)
合成には、日本分析工業社製(LC-908-C60)を用いた。合成した長鎖アルキル基を持つフラビン類に対して超高速HPLC分離・分子構造分析システムを用いて、その純度を確認した。次に、トルエン中で超音波照射により、単層カーボンナノチューブ(SWNT)を分散し、超遠心(10000g)にて上澄み80%を集めて機器分析を行なった。まず、UV-Vis-近赤外分光光度計(日本分光社製 V-670ST)を用いて、可溶化SWNTの吸収スペクトルを測定した。次に、近赤外蛍光分光装置(NanoLog-3、HORIBA JOBIN YVON社製)を用いて、可溶化溶液のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを測定した。さらに、レーザーラマン顕微鏡(ナノフォトンRaman-touch)を用いて、ラマンスペクトルを測定した。次に、超高分解能走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ SU9000)を用いてナノ構造の画像を撮影した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
九大との共同研究により、自社内で合成したフラビンと実験で分離した半導体性CNTについて分析したところ、問題なく合成および半導体性/金属性CNTの分離が効率的に達成できていることを確認した。代表的なデータとして、半導体性/金属性CNT分離後の可視/近赤外吸収スペクトル(図1)、およびラマンスペクトル(図2)を示した。

図1. 半導体性/金属性CNT分離後の可視/近赤外吸収スペクトル

図2. 半導体性/金属性CNT分離後のラマンスペクトル

4.その他・特記事項(Others)
なし。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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