利用報告書
課題番号 :S-16-SH-0009
利用形態 :共同研究型
利用課題名(日本語) :カーボンナノチューブの成長機構の解析
Program Title (English) :Analysis of Carbon nanotube Growth
利用者名(日本語) :諏訪順之
Username (English) :N. Suwa
所属名(日本語) :新光電気工業株式会社
Affiliation (English) :SHINKO ELECTRIC INDUSTRIES Co., Ltd.
1.概要(Summary )
カーボンナノチューブ(CNT)の成長機構の解析は広範な産業分野への応用に不可欠である。本利用者は、平成27年度も利用課題(S-15-SH-0033)により、CNT成長時に触媒粒が20nm以上に凝集する効果を確かめた。本年はこれをさらに制御すべく課題申請を行ったが、改善された構造の試料の分析には至らなかったため、昨年度の計測データを補足する鉄触媒の成長レートを測定し、凝集する触媒の形状について検討を加えた。
2.実験(Experimental)
信州大学設置「精密触媒制御ナノカーボン合成・解析装置」を利用した。
平成27年度利用時と同様に、島状となった触媒の形状を帯電効果を避けてSTM観察するために表面に堆積したFe膜の膜厚を同定するため、このときと同様のFeセル温度(1300℃)、同様および2倍の製膜時間(3600s及び7200s)にてFe膜の堆積を行い、真空装置外に取り出して膜厚を計測した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
測定結果を条件とともに表1に記載する。基板回転を行なっていないため、周辺部では成長レートは大きくばらつくが基板中央(2インチのサンプルホルダの中心から1cm以内)であれば、ほぼ均一な成長レート(1時間に13 nm程度)が得られた。
STMによる実験は基板中央でのみで3600sにて行っていたためFe膜厚は13nmであることが分かった。その際に粒径の変化がこれより大きい20nm以上となり、観測された粒径の増大にはFe蒸着の問題は少なく、CNT成長を模した昇温プロセスによるものであることが確認された。
表1 測定データ
K-cell温度(Fe) 1300 ℃
Beam flux 1.1×10-6 Pa
計測データ(7200s)
中心部 24±4 nm
周辺部 11~48 nm(平均25nm)
計測データ(3600s)
中心部 14±2 nm
周辺部 7~22 nm(平均13nm)
決定成長レート 13 nm/h
4.その他・特記事項(Others)
実験は、信州大学ミョータンテイ助教、橋本佳男教授によって行われた。また、膜厚分析に協力いただいた長野高専百瀬成空准教授に感謝する。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







