利用報告書

コールターカウンターの作製
福田敬志
大阪大学大学院基礎工学研究科 機能創成専攻

課題番号 :S-17-OS-0044
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :コールターカウンターの作製
Program Title (English) :Fabrication of Coulter counter system
利用者名(日本語) :福田敬志
Username (English) :T. Fukuda
所属名(日本語) :大阪大学大学院基礎工学研究科 機能創成専攻
Affiliation (English) :Department of Mechanical Science and Bioengineering, Graduate school of Engineering Science, Osaka University
キーワード/Keyword    :膜厚測定,多元DC/RFスパッタ装置,LED描画システム,マスクアライナー

1.概要(Summary)
 Coulterカウンターは微小領域に粒子が侵入した場合,その排除体積効果による電流値の変化を読み取ることで粒子を検出するというものである. PDMSを用いたマイクロ流路を作製することによりCoulterカウンターを行うことができるデバイスの作製を目指す.今回,そのプロトタイプとして,高さ5μmのマイクロチャネルを作製するために当該拠点の装置を用いた.

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
S17 接触式膜厚測定器(BURUKER“DektakXT-A”)

【実験方法】
PDMSを用いて,高さ5μmの流路の中央部に,幅5 μm,流路長さ2μmのマイクロチャネルを作製した.また,リザーバと接続されている流路とマイクロチャネルの間はテーパで接続されている.
多元DC/RFスパッタを用いて,クロムが140 nmの膜厚になるようにガラス基板にスパッタリングし,HMDSをスピンコートすることで塗布した. その後HMDSと同様にAZ5206Eをスピンコートにより塗布後,LED描画システムを用いて流路パターンの描画を行った.クロムのスパッタリングは140 nmの厚さとなる条件のものを用いたが,膜厚の測定は行っていない.その後NMD-3を用いた現像およびCrエッチングを行った.そして,最後にAZ5206Eを除去することでマスクを作製した.
 希釈されたSU-8 3050をSiウエハ基板にスピンコートにより塗布し.その後,マスクアライナーと作製したマスクを用いて露光を行った.SU-8デベロッパーで現像し,不要なレジストを除去した.そして,IPAで洗浄を行い,接触式膜厚測定器で固められたSU-8 3050の高さを計測した.適宜蓋つきホットプレートを用いてベークを行っている.

3.結果と考察(Results and Discussion)
本実験では2種類のパターンを作製した.流路の高さが5 µmと非常に低いため,流路がつぶれる可能性を考慮し,柱が存在する場合と存在しない場合のパターンを作製した.図1にマスクとモールドの一例を示す.
 
Fig. 1 Images of (a) mask and (b) mold.

4.その他・特記事項(Others)
なし.
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし.
6.関連特許(Patent)
なし.

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