利用報告書
課題番号 :S-19-KU-0004
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ジオミメティクスを活用した放射性核種の長期安定化への技術革新
Program Title (English) :Innovation of long-term stabilizing technology of radionuclides using geomimetics
利用者名(日本語) :Karthik Sekar, Balakumar, Binglin GUO, Chitiphon CHUAICHAM, Quanzhi TIAN, Li ZHANG, 笹木圭子
Username (English) :Karthik Sekar, Balakumar, Binglin GUO, Chitiphon CHUAICHAM, Quanzhi TIAN, Li ZHANG, Keiko Sasaki
所属名(日本語) :1) 九州大学大学院工学研究院
Affiliation (English) :1) Kyushu University
1.概要(Summary )
放射性核種埋設に用いられるセメント固化法において、フライアッシュセメントが利用されるときの問題点として、フライアッシュに含有する有害イオンが拡散性の高い陰イオンとして溶出することを抑制するため、種々のCa添加剤を検討した。その結果、ハイドロカルマイトやエトリンガイトの形成を促す部分水和焼成ドロマイト(HCD60) が、他のCa添加剤である石膏、スラグ、石灰に比べて、有害陰イオンの溶出をより効果的に抑制した。本研究においてフライアッシュ中の有害元素の化学状態を、九大分子・物質合成プラットフォーム電子状態測定システムにより調べ、その結果はSAGALSの九大ビームラインで測定したXFAS結果と相違ないものであった。
2.実験(Experimental)
フライアッシュのキャラクタリゼーションはXRD. XRF, SEM, XPS, XFASによりおこなった。とくにフライアッシュセメントとしたときに、陰イオンとして溶出する可能性のあるAs, B, Se, F、Crに焦点をあてて特性化した。セメント固化試験ではフライアッシュからの有害元素の溶出経時変化をモニターできないため、セメントを添加せずに、Ca添加剤が有害元素の安定性に与える影響を、溶液成分のモニターにより行った。有害陰イオンの不動化に期待する反応は、陰イオン交換体であるハイドロカルマイトおよびエトリンガイトの生成である。
フライアッシュ10.0 gをポリ瓶に入れ、4種の添加剤(lime、gypsum、slag, HCD60)を有効Ca重量が等しくなるように、それぞれ2.24、5.00、3.73、3.77 g加えた。添加剤を加えない系も用意した。超純水60 mLを加え、28°Cで100 rpmにて撹拌した。実験開始から8週間、サンプリングを適宜繰り返し、溶液中の有害元素の濃度の微量分析およびpH、固体残差のXRDおよびSEM、TEM-EDX観察を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
フライアッシュ中のAs、Se, Crの優勢化学種は、XPSでもXAFSいずれの方法でも、それぞれAs(V), Se(IV), Cr(III)で、表面およびバルクいずれもこの化学状態がほぼ100%であった。セメント固化体環境のアルカリ条件を考えると、Cr(III)は溶出しにくいことがわかる。
この系では、フライアッシュからの有害イオンの溶出と二次鉱物の析出によるこれらのイオンの共沈の両方が並行して起こる。その結果、固相、液相の両方の経時変化を総合すると、Ca(OH)2, Mg(OH)2, MgOからなるHCD60をCa添加剤として加えたときが、もっともハイドロカルマイトやエトリンガイトの形成を促し、その結果として、上記の5種の有害元素の溶出抑制を最も効果的に達成することができた。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) Reduction of Undesirable Element Leaching from Fly Ash by adding Hydroxylated Calcined Dolomite
Quanzhi Tian, Binglin Guo, Shingo Nakama, Li Zhang, Zhaochu Hu, Keiko Sasaki
Waste Management, 86 (2019) 23-35 13.
(2) Suppression mechanisms of anionic pollutants released from fly ash by different Ca additives
Binglin Guo, Shingo Nakama, Quanzhi Tian, Niko Dian Pahlevi, Li Zhang, Zhaochu Hu, Keiko Sasaki
J. Hazard. Mater., 371 (2019) 474-483.
(3) Spectroscopic and first-principles investigations of iodine species incorporation into ettringite: Implications for iodine migration in cement waste forms,
Binglin Guo, Yihuang Xiong, Weinan Chen, Sarah A. Saslow, Naofumi Kozai, Toshihiko Ohnuki, Ismaila Dabo, Keiko Sasaki
J. Hazard. Mater., in press.
https://doi.org/10.1016/j.jhazmat.2019.121880
6.関連特許(Patent)
なし







