利用報告書
課題番号 :S-16-NM-0081
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :セルロースハイドロゲルの作製とシルクタンパク質による複合化
Program Title (English) :Preparation of Cellulose Hydrogel and Composites with Silk Protein
利用者名(日本語) :佐藤 春輝
Username (English) :Haruki Sato
所属名(日本語) :鶴岡工業高等専門学校 生産システム工学専攻
Affiliation (English) :National Institute of Technology, Tsuruoka College
1.概要(Summary)
組織再生を目的とした足場材料であるセルロースハイドロゲルに、シルクフィブロインを複合化させることにより、抗菌作用を付与することができる。本研究では、セルロースハイドロゲルとセルロース/シルクフィブロイン複合化ハイドロゲルを作成し、構造上の特性を比較することを目的とする。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
卓上電子顕微鏡 (Miniscope TM3000)
【実験方法】
セルロース溶液の調整
綿0.3gを純水100mlに浸し24時間撹拌した。吸引ろ過後、エタノール100mlにひたし24時間撹拌した。吸引ろ過後、ジメチルアセトアミド(DMAc)100mlに浸し24時間撹拌した。DMAc30mlに対し8wt.% LiClを加えた溶液に膨潤処理を行った綿を浸し、綿が完全に溶けきるまで撹拌を行った。
相分離によるゲル化及びシルクフィブロイン(SF)の複合化
セルロース溶液を直径10cmほどの容器に10g入れ、エタノール20mlを注ぎ14時間静置することにより、セルロースゲルを得た。また、SFの複合化方法としてはセルロース溶液に直接30wt.%になるように入れ、よく撹拌しゲル化させた。
走査型電子顕微鏡(SEM)による網目構造観察
得られたゲルを凍結乾燥により水分をとり、卓上SEMにより観察を行った。
3.結果と考察 (Results and Discussion)
SFが含まれていない試料には、無数の孔のようなものが観察された。これはハイドロゲルが網目構造をとっているためであると考えられる。一方、SFが含まれている試料を見てみると、SFが含まれていない試料から見られた孔のようなものは観察できなかった。このことから、セルロースとSFが別々に存在しているためであると考えられる。
Fig.1 SEM images
(left:without SF, right:with SF)
SFをセルロースハイドロゲルに複合化させるため試行錯誤し複合化することができたがSEMによる構造観察より網目構造を確認できなかったため複合化の再検討が必要であると考えられる。
4.その他・特記事項(Others)
支援内容:卓上型電子顕微鏡および凍結乾燥に関して、装置使用トレーニングをして頂いた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 1佐藤春輝, 1皆川泰輝, 1矢作友弘, 1佐藤司, 2小林高臣(1鶴岡高専, 2長岡技科大)「セルロースハイドロゲルの作製とシルクタンパク質による複合化」
第19回化学工学会学生発表会(小金井大会)東京農工大学小金井キャンパス 2017年3月4日
6.関連特許(Patent)
なし







