利用報告書

ドライミスト噴霧器 噴霧成分分析
久野一
名三工業株式会社

課題番号 :S-19-MS-1097
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :ドライミスト噴霧器 噴霧成分分析
Program Title (English) :Dry mist sprayer spray component analysis
利用者名(日本語) :久野一
Username (English) :Hajime Kuno)
所属名(日本語) :名三工業株式会社
Affiliation (English) :meisan industry Co., Ltd.

1. 概要(Summary )
当社は主成分が酸化カルシウム(CaO)である貝殻焼成カルシウム粉末を扱っており、これを水溶液にすることで、強アルカリ性の溶液=抗菌性を持つ溶液になる。現在、加湿器や噴霧器などで水の代わりにこの水溶液を使用することで、空間の除菌・抗菌・消臭・加湿を目指している。現行の加湿器では経時にて、①床上に白い粉末のようなものが堆積する、②経時にて噴霧口が詰まってしまう⇒噴霧できないなどの問題が生じている。しかし、ドライミスト加湿器においては、白い粉末の析出が目視では確認できないため(床上への堆積が見られない)、その析出の有無を電子顕微鏡(以下SEM)・EDXにて確認したい。

2.実験(Experimental)
ドライミスト噴霧器の噴霧口にろ紙を当て、噴霧成分の観察・成分分析を行った。本来ろ紙は絶縁体である為、無蒸着でのSEM観察は帯電を伴い、画像検出が困難である。しかし、今回の実験では噴霧成分の分析を行う為、極力蒸着は避けたい点であり、低真空電子顕微鏡(以下低SEM)での観察により無蒸着ろ紙の観察・分析を行うこととした。水準としてはろ紙ブランク、イオン交換水による霧化、貝殻焼成カルシウム水溶液による霧化の3種により比較した。 

3.結果と考察(Results and Discussion)
ブランク、イオン交換水による霧化には付着物は確認できなかったが、貝殻焼成カルシウム水溶液による霧化では付着物が確認できた。このことから、ドライミスト噴霧器による貝殻焼成カルシウム水溶液を噴霧において目視では確認できないが、微細な粉末が噴霧されていることが分かった。また、EDX(元素分析)による確認で、付着している物質はカルシウムであることも分かった。

実験結果から、ドライミスト噴霧器による貝殻焼成カルシウム水溶液噴霧は微細なカルシウムも同時に噴霧していることになるため、現行の問題①は、密閉空間などで大量噴霧することはカルシウム粉末(白い粉末)の堆積などの問題に発展する可能性はあるものの、通常の空間で使用するのであれば、加湿機能としては問題なく、ホタテ貝殻焼成カルシウム水溶液を噴霧し、空間を除菌する可能性は見いだせた。
 また、現行の問題②の経時的に噴霧口が詰まってしまうことは無かったため、今回使用したドライミスト噴霧器では噴霧口詰まりの問題は無いと思われる。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし

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