利用報告書
課題番号 :S-16-NU-0009
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ナイロン-セラミック複合材の熱容量測定
Program Title (English) :Heat capacity measurement for nyron/ceramic composite materials
利用者名(日本語) :松本昌樹1), 塩尻大志1)
Username (English) :M. Matsumoto 1), D. Shiojiri1)
所属名(日本語) :1) 名古屋大学大学院工学研究科
Affiliation (English) :1) Graduate School of Engineering, Nagoya University
1.概要(Summary )
絶縁高熱伝導材料の作製に向け、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いてPA(ナイロン6)に高い熱伝導率を持つAlNウィスカーを1wt%充填したことによる比熱容量への影響について評価した。本実験ではAlNウィスカーを1wt%充填することで、PAに比べて比熱容量が約10%程度低くなるという結果が得られた。
2.実験(Experimental)
本実験には示差走査熱量計(DSC6200)を用いた。測定する試料を2×2 mmに切断し、質量を測定した後、サンプルパンに挿入した。測定する試料が入ったパンと空のパンを装置ホルダー内にセットし、窒素雰囲気中で、10~120oCの範囲において5oC/minで昇温を行い、両試料間の熱量の差を測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1に各試料のDSC曲線と温度の測定結果を示す。水色の線で表したαアルミナは基準物質として用いた。
比熱容量の算出には以下の式[1]を用いた。
C_p :未知試料の比熱容量
〖C’〗_p:基準物質の比熱容量
m’:未知試料重量
M :基準物質重量
h: 未知試料と空容器の熱量差
H: 基準物質と空容器の熱量差
未知試料の比熱容量についてはαアルミナの文献値[2]を用いた。
この式を用いて算出した10~120oCの温度範囲でのPAとPA+AlNウィスカーの比熱容量を図2に示す。この図から、測定した全ての温度範囲において、AlNウィスカーを1wt%充填したナイロンがPA(ナイロン)の比熱容量を下回っていることが分かる。
4.その他・特記事項(Others)
参考文献
[1] 熱分析による比熱容量測定
(https://unit.aist.go.jp/mcml/rg-tp/newpage2.html)
[2] 日本工業規格 プラスチックの比熱容量測定方法
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
発明者:宇治原 徹、竹内 幸久、塩尻 大士、松本 昌樹、齊藤 廣志
出願日時:2017/3/17
出願番号:2017-053624
発明の名称:AlNウィスカーの製造方法および製造装置ならびにAlNウィスカー構造体
発明者:宇治原 徹、竹内 幸久、塩尻 大士、松本 昌樹、齊藤 廣志、林 育生
出願日時:2017/3/17
出願番号:2017-053623
発明の名称:AlNウィスカーおよび樹脂成形体とこれらの製造方法
発明者:宇治原 徹、竹内 幸久、塩尻 大士、松本 昌樹、齊藤 廣志、林 育生
出願日時:2017/3/17
出願番号:2017-053622
発明の名称:焼結体とその製造方法