利用報告書

ナノバイオ分子合成・超解像解析評価システムによる移植幹細胞のマウス肝臓内動態解析
名仁澤英里1), 石川哲也1)
1)名古屋大学大学院医学系研究科

課題番号 :S-17-NU-0021
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語)  :ナノバイオ分子合成・超解像解析評価システムによる移植幹細胞のマウス肝臓内動態解析
Program Title (English) :In vivo visualization of transplanted stem cells in a mouse liver using
nanobio-molecule synthesis and super resolution analysis system.
利用者名(日本語) :名仁澤英里1), 石川哲也1)
Username (English) :E. Nanizawa1), T. Ishikawa1)
所属名(日本語) :1)名古屋大学大学院医学系研究科
Affiliation (English) :1)Graduate School of Medicine, Nagoya University

1.概要(Summary )
再生医療において移植細胞の生体内動態・局在の診断が可能なイメージング技術の確立は、治療の安全性を担保し、治療効果の向上に寄与する。本機器利用においては、ヒトiPS細胞より分化誘導した肝様細胞において、量子ドット(QD)によるラベル化手法の最適化及びマウスへの移植後のin vivoイメージングを試みた。

2.実験(Experimental)
iPS細胞由来肝様細胞において、QDをラベル化剤として用い、in vivoイメージングに適したラベル化効率、蛍光強度(MFI)の確保と分化後の細胞機能維持が可能なラベル化条件(QD濃度、ラベル化時間、タイミング)を検討した。肝様細胞としての機能は、アルブミン、AFP、薬物代謝酵素であるCYPなどの発現の程度により評価した。ラベル化細胞は門脈経由でマウスに移植し、in vivo イメージングシステム(PerkinnElmer社製 INIS Lumina K ver4.4)、二光子励起顕微鏡(ナノバイオ分子合成・超解像解析評価システム ニコン製多光子共焦点レーザー顕微鏡A1RMP)を用いて移植後の体内動態、局在を観察した。
 

3.結果と考察(Results and Discussion)
ラベル化効率、MFI、細胞機能についての検討より、QD濃度は12nM、ラベル化時間は72h、ラベル化のタイミングは25日間の分化過程のd23-25とした。同条件によりラベル化したiPS細胞由来肝様細胞は、マウスへの移植後24hまででのin vivo、ex vivoイメージングで、そのほとんどが肝臓に留まり、肝類洞内に局在していることが確認できた。
本支援の機器利用を活用することで、QDラベル化肝様細胞がマウスへの移植後の生体内動態・局在の観察に対する有効性を確認することができた。

4.その他・特記事項(Others)
なし。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

©2025 Molecule and Material Synthesis Platform All rights reserved.