利用報告書
課題番号 :S-19-NU-0017
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :ナノ発光粒子の開発
Program Title (English) :Development of emitting nanoparticles
利用者名(日本語) :西山 桂
Username (English) :K. Nishiyama
所属名(日本語) :名城大学理工学部
Affiliation (English) :Department of Environmental Science and Technology, Meijo University
1.概要(Summary )
ナノスケール発光材料のうち長時間残光材料は、発光寿命が数時間程度に及ぶため、例えば暗所における非常口標識などへの展開も活発である。一方、最近報告されている長時間残光材料は数 μm 〜 数10 μmのものが多い。そこで本研究では、逆ミセル法を用いて数100 nm程度の粒径を有するアルミン酸ストロンチウム系蓄光材料を合成した。長時間残光材料材料をナノ化すると、他の母材(塗布や噴霧材等)に分散させやすいという利点がある。
長時間残光材料ある特定の金属格子の中の金属元素が発光希土類と置換された構造を持つ。今回用いた金属格子は、すなわちアルミン酸ストロンチウムは、ストロンチウム、アルミニウムがEu2+等と置換された構造を持つ。長時間発光のメカニズムとしては、
Eu 3+ 等の希土類と置換されることにより蓄光性能を発揮する.蓄光材料の発光原理としてはアルミン酸ストロンチウム光子が励起光(紫外から可視領域)を吸収し、いったん発光希土類の準位にトラップされたあと、熱過程によって発光起点準位まで戻るような機構が提唱されているものの、その詳細は明らかではない。寿命としては数秒から数時間にわたる分布を有しており、その発光メカニズムの解明とともにナノサイズ化が焦点となっている。
2.実験(Experimental)
界面活性剤(アニオン性、あるいは両親媒性)を用いて逆ミセルを作り、有機溶媒(鎖状有機化合物)中で長時間発光材料を巻き込ませた。還元雰囲気を電気炉内に形成し、還元焼成した結果、300–700 nm 程度の構造を持つ長時間発光材料が得られた。これらの長時間発光材料のモルフォロジーは、電子顕微鏡、またナノテクノロジープラットフォーム(名古屋大学)を利用してXRD装置を利用して、その詳細を求めた。
利用装置:X線粉末回折装置(リガク製 Smart Lab 3K1d/2dDSC)
3.結果と考察(Results and Discussion)
今回は逆ミセルを使用したことにより、原料が親水基で形成される空間内に保持され、結果として粒径が小さくなったと考えられる。現在、結晶構造や発光スペクトル、照度等の解析を進めているところである。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1)
6.関連特許(Patent)
なし