利用報告書
課題番号 :S-16-NM-0029
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ナノ粒子の特性評価方法の検討
Program Title (English) :Investigation of evaluation methods for characteristics of nanoparticles
利用者名(日本語) :前薗 好成
Username (English) :Yoshinari MAEZONO
所属名(日本語) :ウシオ電機
Affiliation (English) :USHIO INC.
1.概要(Summary)
時代と共に家族のあり方は変化していくものであるが, 近年, 家族における愛玩動物の位置づけが変化し,その健康管理への配慮も非常に高くなってきた.
動物その状況を鑑み, 愛玩動物ならびにそのご家族と医師に貢献するべく,弊社では動物用血液検査装置・素子を開発している.
その検査素子は, イムノクロマト法を利用しており, 一般的にはナノ粒子などの呈色材料が用いられる. 本課題においては呈色材料を調査すべきターゲットとして挙げ, その調査方法の検討を国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)様のご協力のもと評価方法の検討を行い, 動的光散乱法(DLS)が評価に適しているとの結果を得た.
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
動的光散乱装置
レーザーゼータ電位計装置
【実験方法】
まず, 弊社より持参した数種類の金ナノ粒子を数種類の1~16倍の希釈系列を作製して,動的光散乱装置に挿入し, 計測可能な濃度を調べ, 計測を行った.
また、レーザーゼータ電位計装置に関しても, 数種類の希釈系列を作製して, 金ナノ粒子の濃度を数条件に希釈し, 計測を行った.
3.結果と考察 (Results and Discussion)
まず、DLSの結果から示す. 1~16倍に希釈した粒子を作製して計測を行ったが、弊社から持参した状態での計測が可能であったため、希釈せずDLSスペクトルを得ることができた.
図1に測定によって得られたDLSスペクトルを一例として示す.これより, 粒子のメディアン値がわかり素子における呈色度との関連性を得ることができた.
レーザーゼータ電位計装置に関しては16倍希釈では結果が得ることができず, それ以上の希釈率を作製する必要があることが分かった. その希釈率は, 使用環境に近い条件での計測ではなかったため, レーザーゼータ電位計装置での評価は不適であると判断した。
4.その他・特記事項(Others)
NIMSナノテクノロジー融合ステーションのスタッフの方より以下の支援をいただきました。(箕輪様, 李潔様)
・ナノ粒子の計測方法に関する相談
・DLS, Zeta potential装置の使用に関しトレーニング
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし