利用報告書

ヒト末梢性T細胞リンパ腫におけるBCL6領域のDNAメチル化解析
西澤翔子
筑波大学大学院人間総合科学研究科フロンティア医科学専攻

課題番号 :S-16-NM-0090
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ヒト末梢性T細胞リンパ腫におけるBCL6領域のDNAメチル化解析
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :西澤翔子
Username (English) :
所属名(日本語) :筑波大学大学院人間総合科学研究科フロンティア医科学専攻
Affiliation (English) :

1.概要(Summary )
T細胞リンパ腫は血液の癌の一つであり、難治性のため新しい治療法の開発が望まれている疾患です。T細胞リンパ腫の発症メカニズムを遺伝子レベルで明らかにするために、患者のリンパ腫組織から抽出したDNAのメチル化の割合を次世代シークエンサーを用いて解析しています。今回の実験では、リンパ腫組織内の腫瘍細胞におけるメチル化の割合を調べることが目的です。

2.実験(Experimental)
患者から摘出されたT細胞リンパ腫組織におけるBCL6陽性細胞、PD1陽性細胞をレーザーマイクロダイセクションを用いて切り抜き、組織から直接DNAのバイサルファイト変換ができるキットを用いてバイサルファイト変換を行い、PCRで増幅をして、ライブラリーを作成して次世代シークエンサーでメチル化の解析を行いました。

3.結果と考察(Results and Discussion)
レーザーマイクロダイセクション後のBCL6陽性細胞(腫瘍細胞)では、レーザーマイクロダイセクション前のリンパ腫組織全体よりもDNAのメチル化が高くなっていました。しかしPD1陽性細胞(非腫瘍細胞)では、メチル化が低い傾向にありましたがサンプル内でもばらつきが出てしまいました。解析できるサンプル数が少なかったためにはっきりとした結果を出すことができませんでしたが、さらにサンプル数を増やすことで結論を出すことができるのではないかと考えられます。

BCL6陽性細胞(腫瘍細胞)の切り出し後と切り出し前の組織の写真です。

4.その他・特記事項(Others)
レーザーマイクロダイセクションの使用に関して支援を受けました。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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