利用報告書

ビニル系ポリマー構造解析
西浦 崇雄
丸善石油化学株式会社

課題番号 :S-16-NU-0030
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :ビニル系ポリマー構造解析
Program Title (English) :Analysis of vinyl-polymer using the NMR
利用者名(日本語) :西浦 崇雄
Username (English) :T.Nishiura
所属名(日本語) :丸善石油化学株式会社
Affiliation (English) :Maruzen Petrochemical Co.,ltd

1.概要(Summary )
機能性ポリマーを開発において、ポリマー構造と物性をリンクさせることは非常に重要である。
ポリマー物性に関しては、機械的強度、光学物性、粘性など、さまざまな観点から調べられるが、ポリマー構造については手法が少なく、代表的な解析装置としてNMRがある。
ポリマー構造をNMRで調べるにあたり、NMRの測定モードの理解並びに得られたデータの解釈が不十分のため、十分な構造解析ができていないといった問題点がある。
一方、NMR自体は価格も下がり、企業への導入は進んでいるが、熟練した技術者不足のために有用に使用できていない現状がある。
社内NMRの有効活用をめざし、ポリマー構造解析を行うにあたりどのようなデータを取得すればよいのか?どのように解釈すれば良いのかについて、技術指導を受けたので報告する。
2.実験(Experimental)
装置:NMR(500MHz)装置 Varian社製OXFORD500
1H-NMR 13C-NMR HSQC DEPTを実施した。

測定サンプル:ビニル系ポリマー

3.結果と考察(Results and Discussion)
1H-NMRと13C-NMRより、目的物が得られていることを確認した。1H-NMRと13C-NMRを組み合わせたHSQCにて測定を行うことで、より正確に目的物が合成されていることを確認した。

Fig.1 measurement of HSQCmode

得られたデータから連鎖分布解析なども可能であることより、ポリマー解析には、1H-NMR 13C-NMR
HSQC DEPTの4種類を測定することで詳細なポリマー構造解析が可能であることが分かった。
今後、自社NMR装置でもこのようなデータの取得を目指して技術者の熟練度をあげるとともに、解析方法についても、さらに技術指導を受けていきたい。

4.その他・特記事項(Others)
測定は、名古屋大学近藤一元氏に実施いただいた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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