利用報告書
課題番号 :S-19-MS-1045
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :フェライト磁性薄膜および複合体のフェリ磁気特性の研究
Program Title (English) :Magnetic Properties of Ferrite Magnetic Film and Complex
利用者名(日本語) :中田勇輔1)・安達信泰1),
Username (English) :Y. Hayashi1), N. Adachi1)
所属名(日本語) :1) 名古屋工業大学先進セラミックス研究センター
Affiliation (English) :1) A-CRC、Nagoya Institute of Technology
1.概要(Summary )
可視光領域に透過性のあるZnFe2O4結晶は、反強磁性を示すことで知られているが、強磁性を示すZnFe2O4結晶の報告もあり、磁気光学結晶として期待できる[1][2]。強磁性の原因として、八面体位置にあるFe3+の一部が四面体位置のZn2+と置換することでフェリ磁性が発現することとして考えられる。我々は、有機金属分解法により、ZnFe2O4薄膜を作製し、さらに熱処理を様々な温度条件で行うことで、ZnFe2O4薄膜が最大の磁化を得るための温度条件について探索した。
2.実験(Experimental)
薄膜は、有機金属溶液をシリカガラス基板上にスピンコーティングして成膜し、熱処理結晶化して作製した。有機金属溶液は、ZnとFeが1:2の組成比になるよう混合して、溶液滴下後は100℃で30分乾燥し、有機物を分解させるために300℃で30分間仮熱処理を行った。これを必要な膜厚になるまで繰り返し、その後、熱処理を600℃で行い結晶化させた。試料は、昇温時間、600℃での保持時間、室温までの降温時間について条件を変えて作製した。作製した試料に対し、XRDによる結晶の評価、SEMによる表面と断面と微構造観察、EDSによる組成分析、SQUIDよる磁気特性の評価を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
600℃で結晶化した薄膜のXRDパターンでは、単相のZnFe2O4を示す多結晶回折ピークが観測された。また、EDSによる組成分析では、組成比が1:2となり、膜内におけるZnやFeの濃度偏析は見られなかった。Fig.1に600℃でそれぞれ1時間、30分、3時間結晶化させた試料の磁化曲線を示す。600℃までの昇温時間、600℃での保持時間、600℃から室温までの降温時間を変えることで、磁化の値が変化することが確認でき、現段階では、600℃での保持時間を変えたものが磁化の値の変化が顕著に表れている。また、どの試料についても保磁力が700Oe程度であったため、フェリ磁性相の磁気特性は同じであると考えられる。4K,外部磁場10kOe で23.2emu/gの磁化を得た試料について、この磁化の値を4Kでの飽和磁化と仮定すると、全体のFe3+イオンの約10パーセントが四面体位置を占有していると計算により見積もられる。計算上では33%四面体位置を占有していると磁化が最大になると考えられ、今後の課題とした。
4.その他・特記事項(Others)
無し
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 「有機金属分解法により合成したZnFe2O4のフェリ磁気特性2」林勇治・太田敏孝・*安達信泰, 日本セラミックス協会第31回秋季シンポジウム(名古屋)
2018年9月6日
(2) 「中空フェライト粒子の合成と磁気特性に関する研究」林勇治 2018年度先進セラミックス研究センター成果報告会、2019年3月5日、多治見.
(3)「有機金属分解法により合成したZnFe2O4のフェリ磁気特性」中田勇輔 2018年度先進セラミックス研究センター成果報告会、2019年3月5日、多治見.
6.関連特許(Patent)
無し







