利用報告書
課題番号(Application Number):S-15-NR-0034
利用形態(Type of Service):共同研究
利用課題名(日本語) :フラッシュランプアニール処理したナノ薄膜の評価(金属ゲルマノイドの評価) Program Title (English) :Evaluation of nanometers-thick films formed by flash lamp annealing (NiGe) 利用者名(日本語) :加藤慎一、河原崎光、谷村英昭、青山敬幸
Username (English) :S. Kato, H. Kawarazaki, H. Tanimura, T. Aoyama
所属名(日本語) :株式会社 SCREEN セミコンダクターソリューションズ
Affiliation (English) :SCREEN Semiconductor Solutions Co., Ltd.
1.概要 (Summary)
平成26年度に実施したシリサイド評価を基に、平成27 年度はフラッシュランプアニール(FLA)により形成したナ ノ薄膜 NiGe の評価を行った。今回行った評価法は、X線 回折(XRD)である。X線回折による評価結果から、次のこ とが分かった。
(1) 今回評価した FLA 熱処理条件では、予備加熱の 250℃以下では NiGe は形成されず、FLA 熱処理過程で のみ Ni ゲルマノイドは形成される。
(2) 形成されるゲルマノイドは、orthorhombic NiGe であ り、他の組成、結晶構造の成分はない。
(3) NiGe のシート抵抗、エリプソ測定の膜厚と XRD の強 度、半値幅(FWHM)に相関があり、結晶組成、膜厚、グレ インサイズの影響の分離ができた。
今後、この結果を基に、FLA の最適条件選定し、ナノ 薄膜 NiGe に関するプロセス開発を推進していく。
2.実験 (Experimental) 平成26年度に、フラッシュランプアニール処理により形 成したナノメータ膜厚のシリサイド膜を大気中光電子分光、 X線回折、X 線反射率測定を用いて評価し、それらが有 力な評価法であることが分かった。平成27年度はフラッシ ュランプアニールにより形成したナノ薄膜 NiGe の評価を 行った。今回行った評価法は、X線回折(XRD)である。
試料構造は、Ge-sub/Ni/TiN である。金属膜は、ス パッタ法で堆積し、堆積前には 3nm 相当の逆スパッ タを行っている。この試料を、FLA で加熱した。今回 は、予備加熱温度(~250℃)と FLA 時のピーク温度
(350~600℃)を変えた。
3.結果と考察(Results and Discussion)
X線回折による評価結果から、次のことが分かった。
(1) 今回評価した FLA 熱処理条件では、予備加熱の 250℃以下(フラッシュ加熱無し)では NiGe によるピークは 観測されなかった。FLA 熱処理後に Ni ゲルマノイドのピ
ークが観測された。つまり、FLA 熱処理過程でのみ Ni ゲル マノイドが形成される。
( 2 ) 形 成 さ れ る ゲ ル マ ノ イ ド は 、 orthorhombic NiGe
(a=5.381 Å, b=3.428 Å, and c=5.811 Å)であり、他の組 成、結晶構造の成分は同定されなかった。
(3) NiGe のシート抵抗はエリプソ測定の各層の膜厚で完 全に説明できない部分があったが、XRD の強度、半値幅
(FWHM)の情報(図1)からグレインサイズが影響していると 推測できた。
今後、この結果を基に、FLA の最適条件選定し、ナノ薄膜 NiGe に関するプロセス開発を推進していく。
図1 XRD NiGe (121) Peak
4.その 他・特記事項(Others)
本研究の一部は文部科学省ナノテクノロジープラットフォ ーム事業(分子・物質合成)の支援により奈良先端科学技術 大学院大学で実施された。特に、石河泰明氏、戸所義博氏、 淺野間文夫氏、片尾昇平氏の大きな助力に感謝致します。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation) なし。
6.関連特許(Patent)







